魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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な、別に俺はお前といるのが好きだなんて言ってないだろ!まったく……行くぞっ、今日は忙しいんだからな。
(これまで押しかけのように付きまとっていたが、一緒に居てもいいとその一言で真に隣にいる事が許された気がして胸に安堵と、そして暖かい気持ちが広がる。だがまだきちんと全ての考えを伝えたわけではない。頭の片隅にいる冷静な自分が、こいつは魔王だと囁きかけてくる。今しがた了承を得て、相手を知る時間は存分に確保できそうなのだ。言葉に甘えて、納得ができる時を待つしかない。そして同時に聞こえてきた「好き」という言葉に胸が強く高鳴ってしまった。あくまでも一緒にいるのが、という枕詞がついているのに、相手の口が口にしたというだけで脈が早くなって行く。こちらの動揺を悟られないよう素早く掴んでいた手をはなすと、歩調を早め少し先を歩き出す。どうも昨日から心境を乱される場面が多い、それが全てこいつに関わることであるのも分かっていたが今は知らないふりをしていた。)
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