魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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、……俺も、お前のことが好きだ……好きだが、感情が忙しい…
(オーバーヒートした脳は精一杯の口付けを終え意識が遠のきそうだったが、引き寄せられるまま相手の胸元に収まると不思議と頭の熱は引いていく。こうして身を委ねている恋人丸出しの姿だって本来なら恥ずかしいものだが、今はそこまで考える思考力が抜け落ちていて大人しくそこに収まっていた。相手の心音が聞こえる、一定のリズムで聞こえる鼓動が恋人がそばにいることを証明しているようだ。大きく息を吸い込み吐き出して、たっぷりの酸素を体に取り込むと、同時に相手の香りが鼻孔を擽る。そうやって相手に包まれ程なくすると気持ちはすっかりと落ち着くが体温にあてられて何処かまだ夢心地のままだった。愛を囁く言葉はいつだってこの胸を幸せで満たす、条件反射のように無意識のうちに額を胸へと擦り寄せ返事をする。数刻前に互いの愛を刻み合って思い出の味に思いを馳せ、そうしているうちに恥ずかしくなり今は穏やかな気分になっている。ごく短い時間のはずなのにこんなにも自分の心情は目まぐるしく変わっている。そして今はじわじわとこの態勢も周囲からみればなかなかなものであることを理解できるほどに冷静になっていて、それは相手のおかげでもあるし、相手のせいであるとも言える。そんな相反する感情を滲ませながら最後には小さな声で文句を言っていて)
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