魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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あぁ……お前とこの時間に一緒に居ることができて良かった。な、…そんなこと言っても俺はお前みたいにいつも緩い顔にはならんぞ。それに……こっちのセリフだ。
(常磐ソウゴと出会ってこんな関係になって、二人並んで海を眺めながらなんてことのない焼きそばを食べるなんて、きっと今この瞬間にここに居なければできなかったことだ。きっかけは違えどこの時代にくる決断をした自分は幸運だったと心底思う。砂埃と茶色の風景ばかりだった思い出が相手と出会ってからどれほど色鮮やかに変わったことだろう。青い海と薄茶色の砂浜と白い肌の相手と目に映るだけで色彩と感情が溢れてくるのだがら、この風景を手放すだなんてもう考えられやしない。そんか詩人的な考えに浸っていたのに、笑顔が好きなどと言われてしまうとそれはそれで恥ずかしいもので、素直に恥ずかしさから狼狽える。おまけにこちらをまっすぐ見つめてくるのだがら始末が悪い。きっと無意識なのだろうが、そうやって素直な気持ちを聞くときはどうも普通でいられなくなる。そんな感情を誤魔化すように焼きそばを腹にかきこんでしまうと、脇においていたかき氷を手に取る。フィーリングで選んだいちご味のそれを大口で一口食べると焼きそばで体が温まっていたせいか、頭にキーンと痛みが走り体の動きが止まって)
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