魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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んんッ、…ふ、…ァッ……く、ッ……ん、……
(今や自分の世界には愛しい恋人しかいない。絡まる体と指と唇と舌、それだけに意識が取られその僅かな一挙一動にさえ体が反応する。前触れなく舌をさらに奥へと差し込まれれば口内はさらに相手のもので支配されて呼吸のできるスペースは圧迫されていく。供給される酸素が減って息苦しいがその分相手を受け入れているということ、その苦しみさえ歪んだ悦楽に変わっていた。舌を動かすのがやっとの状態でいると、不意に相手の空気が変わったのが分かった。それを感じ取った瞬間に口内のものの動きは優しいそれからより乱暴で野生的なものに変わる。同時に腰を撫でられると甘い痺れに似たもが走って絡めた手を強く握りながら体を震わせてしまった。その動きは明瞭に海面へと伝わって、体が震えたことを強調するように水音を響かせる。こうも敏感に反応してしまうのは恥ずかしいが、普段こちらを翻弄している相手がここまで荒くこちらを求めるのは珍しくて、その事実だけでこの胸を満たしていく。相当に重症だ。口内を弄られ欲を刻むように甘噛が降り注ぐ、薄い酸素の中相手に縋り付きながらその痺れを享受していると生理的な涙はついに瞳から溢れて頬を伝い落ちた。普段触れられることのない上顎の内をなぞられると未知の感覚にまたゾクリと体が震える。同時に僅かに顎が上がれば口内に溜まっていたどちらのものとも分からない唾液が喉へと流れ込んできて、音を立ててそれを飲みこんで)
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