魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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……俺もここまで自分がたった1人に執着する人間だとは思わなかった。っ、……お前が言ったんだからな。
(今までレジスタンスとして、戦士として、必ずかの魔王を倒すという信念は貫き通してきたし、その為ならば手段は選ばず、ともすれば自分の命もかける覚悟でいた。それらの意思は大衆や友のためで、人類の幸せという大義のためだった。しかし今まさにこの体は相手を欲しいというただ一点のために突き動かされていて、同時に恋人の乱れた姿を決して誰にもみられたくないという歪んだ願望が胸に渦巻いている。人気のない先程の場所で浮き輪の中でひっそりと相手を愛でることだって出来たはず。しかし万が一誰かに見られることを考えたその時には、決して誰も踏み込まない地に行かなければと心は動いていた。大義や平和や戦士の意味なんて、どれも関係がない。ただ相手を自分たった一人のものにしたいとそれだけの感情で、腕に収まる体を抱きしめている。止める間もなく熱くなる身体にこちらも鼓動が早くなって暖かな血が全身を火照らせていく。吐き出す息も熱が篭っていた。そんな状態で悦びが滲む声と色のある誘い文句を向けられれば理性が崩れるなど簡単な事で、服がない以上隠す手段がないのに、なんて苦言を言うこともなく両腕は相手の体を這う。片腕はゆっくり上がり相手の頬に手をあて首筋を顕にさせ、もう片腕はゆっくり下がり体が動かぬよう腰をしっかり固定する。言い訳の言葉を口にしながら、熱い息を首筋に向かって吐いた後、その場所に口を寄せるとキツく吸い、軽く噛みつき所有の証を刻んで)
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