通りすがりさん 2020-08-10 15:27:28 |
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……はァ。帰るか…。
(時計をちらりと一瞥した「無月」は椅子から立ち上がり、図書室にカギを掛けて出ようとする…)
「あ、いたいたァ…「無月」先生。」
(そんな彼に「首折りさん」が肉切り包丁を引きずったまま声を掛ける。「無月」は彼を見るなり深くため息を吐く…。)
…ンだよ…テメェか、驚かせんな…。
「…ごめェん。実はこれ拾ってさァ。」
(「無月」は「首折りさん」の差し出した肉切り包丁を受け取り、目を見開いた。)
…あ?これ…あの山の怪異のモンじゃねェか。
折ったのか、アイツの首?
「…くふふ…勿論。罪もない、いたいけな人間が襲われてたからさァ。助けてあげなくちゃって思っ…」
(「無月」は皆まで聞かず、彼の頭を乱暴にわしわしと撫でる。「首折りさん」の顔は一気に真っ赤になり、「…俺、もう帰るからァ…。」と照れたように消えた…後、「無月」もまた闇に消えた…)
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