墓守 2020-07-04 15:35:12 |
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君の記憶がはっきりしてくるまで、僕の話を聞いてほしい。衣食住と同じくらいとても大事なことだから、しっかり聞いてくれ。今の世界の現状についてだ。
・吸血鬼と大戦
君は知らなかったのかもしれないが、この世界には吸血鬼がいる。僕もそうだ。ほら、この鋭い犬歯を見てくれ。吸血鬼は首を跳ねるか心臓を潰すかしないと死なない生物だが、生きるには血液が必要だ。それで、なんだけど、しばらく前に吸血鬼と人間との間で、大きな戦いがあったんだ。それで吸血鬼が勝ったんだが……その…………人間はかなり減少しちゃったみたいでね。つまり、吸血鬼はたくさん居るけど、餌になる人間は非常に少ないってわけだ。
・吸血鬼の役割について
と、いうわけで吸血鬼は残った食料を奪い合う事になってしまった。でも、生き物っていうのは環境に適応するもので、吸血鬼は次第に己に役割を課すようになった。
・狩人(ハンター)
吸血鬼の血もまた、吸血鬼の食料になる。狩人は他の吸血鬼を狩って、自分のため、あるいは誰かのために血を集める吸血鬼のことだ。
・提供者(ドナー)
提供者は自分の血を分け与える殊勝な吸血鬼だ。じぶんの血とひきかえに、色々融通してもらえるし、ある種の特権階級を得ることだってできるが、逆に奴隷のように飼い殺しになる可能性もあるね。
・守護者(キーパー)
戦闘能力を持たない吸血鬼や提供者、発見された人間を保護する代わりに血液を受け取る。聞こえは良いけど血液を提供できなくなった人たちがどうなったかは言わなくてもわかるだろう。
・労働者(ワーカー)
働かざる者食うべからず。血液を提供することはできないし、かといって戦闘能力もない吸血鬼だっている。だから物品の作成や肉体労働なんかで価値を示しているの人たちのことだね。
・墓荒らし(トゥームレイダー)
墓荒らしというが、実際は人間が隠れているシェルターを探して人間そのものを手に入れることを目的としている。リスクは有るが、リターンは極めて高い。中にはシェルターに雇われた守護者もいるらしいからね。
・処刑人(エクスキューショナー)
そして、永遠の命を終わらせるのが僕ら処刑人だ。もう生きるのが辛いだとか、暴走して理性を失っただとかした吸血鬼の人生を終わらせてやることが仕事だ。
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