RM (主) 2020-05-23 14:17:52 |
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>結斗
「んふふ、どういたしましてー」
不格好な結斗の笑顔に、満面の笑顔を返す。貰った愛は100倍で返す、というのが夏樹の信条だった。
やっぱり結斗は暖かい。抱きしめられ、体温がどんどん上がっていくのが容易にわかる。能力を使っていると、どこか冷たい海底の様な場所に閉じ込められているような感覚に陥る時がある。そこは何も見えないほど暗くて怖い。そんな暗闇から引き摺りあげるのはいつも結斗だった。こうして暖めようと抱き締めてくれると簡単にこちらに帰ってこられるのだ。だから結斗は夏樹にとって平穏な日常そのものなのだ。結斗が現実世界に生きてくれているから、そこに夏樹は帰って来れる。
「なぁ、結斗。ただいま」
だからきちんと挨拶をしなければ。恥ずかしくて言えないお礼を存分に込めた挨拶を。
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