RM (主) 2020-05-23 14:17:52 |
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「ゆいと、も、いい…」
抱き上げられ腕から半ば無理矢理逃げ出す。始めは上手く立てず地面にへたりこんでしまったが、ひとり敵に立ち向かった氷雨の元に向かわなければ、という気力だけで立ち上がる。
「ひさめ…」
フラフラとした身体で氷雨に近付き抱き締める。敵の死体、だなんて嫌なもの見ないように自分の体で氷雨の視界を塞ぐ事も忘れずに。
「ご、め…おれなんもできなかった」
彼の目に残る涙を手で拭い取り、よしよしと頭を撫でる。彼の幼馴染みの克彦ほど慰められると思ってはいないが、少しでも気が楽になればいい、とそう思って。
「…あんなもの、もうみたくないよな」
氷雨を克彦に預け、自身は死体に近付く。持てる力全てを使い死体を凍らせ、足で全力で叩きつけ死体を砕き割る。その目は彼の操る氷のように冷たく、一切の感情が無いものだった。
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