下級妖怪 2019-12-07 18:50:28 |
通報 |
>25 雷斗
だよね、だよね!此処で会えたのが雷斗君みたいな優しい人……じゃなくて、雷獣で良かったよ。もしかしたら、って事があったかもしれないし(小さな動物から人の姿へ。突然の変貌に驚きはしたが、人懐っこく、カラッと晴れた空に輝く太陽のような笑顔に、思考に渦巻く不安の氷が柔らかく溶けていくかのようで。うんうんと首を縦に振っては、何も知らないまま終わっていた可能性に瞳を右に反らし。マンションを本当に知らないのだろう、素直で純粋な子供のような感想が相手の口から出てくれば謎は深まるばかり。しかしその答えも、次の発言にて明らかになる。──まるで別世界のよう。異質な空気や景色に最初に感じた印象が、まさか文字通りそうなのか。それならば、相手と話す節々にある違和感の正体にも筋が通っている。常識や文化自体異なればお互いそもそも知らなくて当たり前。パチパチ、と瞬きを繰り返し数秒の間を置き再び口を開き「狭間の……国?初めて聞く場所、なんだけど……。うん、私は日本から来た、って言うのが此処では正解、なのかな?もし仮に、本当にそうだったとしたら、私……どうやって家に帰ったらいいのかな。雷斗君の知り合いに、誰か日本に行く道を知ってる人に心当たりって無いかな?」これまでの言動に自分を騙すような意図は相手からは感じられない。故に信じがたい事だが、と眉を寄せ表情を曇らせ。半信半疑に迷いながら、途切れ途切れな言葉を紡ぎ。相手は自分と同じ余所者では無く、現地の住人。しかし日本については知らない。どうしたら。行き止まりに再度衝突してしまえば、右手に握る提灯に繋がる黒塗りの棒を強く掴み、不安に揺れる瞳で答えを求めるように相手を見つめ)
トピック検索 |