図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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う、うんっ!と、ととところで!い、いつする!?キス……、
そっか、何か悩みがあるなら、あたしで良ければ何でもきくからねっ?
? そ、そんなに分厚いの…?もちろんちゃんと読むよ。
! ち、違…違うの!今のは間違えたっていうか、ぼーっとしてたっていうか!
(応援までされてしまっては完全に後に引けなくなり、図らずも相手とキスの約束を取り付けてしまうと、せめてそれまでに勉強と心の準備をして万全の体制で挑みたいという吹っ切れすぎた思考に至り、沸騰しそうなほど赤い顔でぐいっと相手の方に身を乗り出し、きりっと眉を上げながらいつするかと大胆に尋ねるものの、今更ながらにキスという言葉を口にするのも恥ずかしいらしく、最後に付け足した二文字はぼそぼそと小声になってしまい。微笑んでくれた相手にホッとしたように柔らかな笑顔を返しながら、悩み事なら何でも聞くと告げて。最後まで読み切るのは当然だと思っていたため相手の言葉にキョトンと首を傾げ、ぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、恋愛の教材ともなれば辞書並みにページ数が多い本なのかも知れないと想像して少し戸惑うものの、どんなに時間がかかってもしっかり勉強する気でいるようで、ちゃんと読むときっぱり答えて。相手が繰り返したことで自分の発言の内容をようやく理解すると、慌てて顔と両手を勢いよく左右にぶんぶん振り、紅潮したまま言い訳になっていない言い訳を早口で並べていって)
…笑わない、怒らない、誓え。打ち明けた後も笑い続けたら、この部屋の本をすべて吹き飛ばす。
──結論から言う。この身体の持ち主に成りすまし、仲睦まじい2人を別れさせようとした。しかし即座に別人だと見破られ、叶わなくなった故、奪った身体を使って学校の…いずれは国中のかっぷるとやらを邪魔する算段でいた。全ては遠い昔、叶わなかった恋への未練による醜い嫉妬。報われるにはこうするしかないと信じて疑わなかった──だが、この学校が建ち、初代校長の顔を見て話は変わった。その昔恋焦がれた殿方に生き写しだった。彼の生まれ変わりに違いないと思った…以来、長年この地に住まい、彼が亡くなってからも毎日初代校長の銅像を眺める日々。──し・か・し。話が変わったといえど、自慢げにいちゃいちゃ、いちゃいちゃとする者どもを見る度、己はあの像に触れることさえ叶わないのにと…未だに、単純に、腹が立つ。出来る限り邪魔はしていきたい。この身体を狙ったのは儚げで憑き易かったのもあるが、若くて可愛い姿になりたかった。
──と、言う訳で、どうか別れて下さいオネガイシマス。
(すぐに無表情に戻ると、先程の失態をなかったことにしてキャラを保とうとするものの、明らかに笑いを堪えていてそうさせてくれない相手をじとりと睨み、もし未練を打ち明けた後も笑い続けていたら図書室の本を全て風で吹き飛ばすと脅して。無表情のまま淡々と事実を語っていき、その様子からは何を考えているのか伺い知れないものの、長い間募らせ続けてきた想いは確実に歪み切っていて、一通り語り終わると微塵も表情を変えずに当たり前のように別れるよう要求し、お願いしますの部分のみ明らかな棒読みで、今の話を聞けば別れて当然だと言いたげに、お願いする気などさらさら無いのが丸わかりで)
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