図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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な、なら良いけど──っいや、良くない!も、もうしないでよっ?
…あれ?何か変な音が……きゃあっ!?
(自分にだけだと言われて何処かホッとして、つい満更でもなさそうな返事をしてしまい、慌てて頬を染めてあたふたと撤回すると、コートの裾を押さえてもじもじしながらムッとした顔を相手に向けて、もうしないように釘を差して。初めての洗濯に気分が浮かれていたのも束の間、何を間違えたのか洗濯機から怪しげな音が鳴り始めたことに気がつくと、慌てた様子であらゆるボタンを押しまくり、その結果パン、という破裂音のような音と共に洗濯機が爆発し、その場で腰を抜かしてへたり込み)
……もしかしたら、あたしの考えは間違ってるのかもしれないし…、元の世界、本の中に戻れば、あたしは紛れもない〝人間〟で居られることも分かってるの。この世界に居ることは、人間であることを諦めなきゃいけないってことなのかもしれない、でも、でもあたし、……桐島さんのこと、好きになっちゃったから…。元の世界に戻ってもきっと、帰る場所も、やりたいことも、生きてる意味も何一つ分からなくて、生きてる心地がしなかったのに…この世界で桐島さんに逢えて、初めてずっと一緒に居たいって、そのために生きてたいって思えたの。初めて、あたしの存在が認められた気がしたから──、だから……、我儘なのは分かってるけど、これからも此処に居たい…此処に居て、いい……?
(相手の答えを聞くと瞳を潤ませ、震える声で言葉に詰まりながらも思っていることをそのまま打ち明け、本来であれば元いた本の世界に戻るのが好ましいのは承知の上で、それでもこの世界に留まりたいと告げると、逸らされているため横顔ではあるものの、相手の顔をしっかりと見据えて、こちらも相手の反応が怖くて、様子を伺うようにおそるおそる右手を伸ばし、躊躇いながらも差し出された手にそっと触れて)
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