図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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…夢、見てるのかなぁ?だといいな…。
はぁ…しあわせ……魔法みたい…。
ほ、ほんと!シャワー浴びたついでに洗──って、それはもうよくてっ!桐島さんが寒くなっちゃうからダメだよ。
変っていうか、その……えっと、
(相手がぐっすりと眠る姿に見入ってしまいながら、寝言で名前を呼ばれたことが余程嬉しかったらしくまだ余韻に浸っていて、今頃夢を見ているのだろうか、それは自分の夢なのだろうか、と想像してみればくすぐったいような気持ちになってきて頬を緩めつつ、手を握ったまま優しく頭を撫で続けて。撫でてくれる手がどこまでも優しいからなのか、それとも好きな人に撫でられているからなのか、いずれにしてもただ気持ちいいだけではなくこんなにも心が満たされるのは魔法のようだとぼんやり考えながら、とろとろに蕩けきった甘い声を漏らし、相手の言葉通りにたっぷりと癒されていて。相手の言葉に乗せられたようにムキになって真っ赤な顔で説明しようとするものの、余計なことを口走れば更に恥ずかしくなるだけだと思い直して言うのを止め、湯冷めしたせいで確かに寒くは感じるものの、相手まで寒くなってしまうのは避けたいため、相手がかけてくれたコートを慌てて脱ぎ、返そうと差し出して。相手の反応からしても、こんなに過剰に意識してしまっているのは自分だけだということがよく分かり、何とも思っていない様子の相手にどう説明して良いのか迷ってしまい、紅潮した状態のまま、もごもごとはっきりしない様子でまごついて)
ッ……あり…がと……っ、ずっと……す、好き……!
(はじめてときめいたことを自覚してから今この時まで、相手のことを想わない瞬間などはなく、お互いに誤解してしまっていた間ももちろんずっと相手のことが好きで一緒に居たかった、結果的にすぐ隣の部屋に居たとはいえ、相手が部屋を出ていってしまってから離れ離れになっていた時間はとても不安で、寂しくて、辛くて、長い長いものに感じられて、そんなことを考え、それでもこれから先も相手の側に居ても良いのだと知れば、洪水のようにたくさんの感情が押し寄せ、もう泣かないと決めていたにも関わらず泣かずにはいられなくて、堪えきれなかった涙で瞳をいっぱいにしながら、ゆっくり、愛しさや有り難さを噛み締めるように、差し出された手に向かっておそるおそる両手を伸ばし、遠慮がちに、それでも大切な宝物を包み込むかのようにそっと両手で握って)
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