図書委員長 2019-11-24 02:38:36 |
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えっ……、──ッ!こ、これは、その……!
…! そ、それって、あたしにしか出来ないんだ…?
わかった。まかせて!桐島さんの胃袋をがっつり掴んでみせるからっ!
ん……して、欲しいの……おねがい、
(できない、と言われると酷く悲しそうな、今にも泣きそうな表情を浮かべて、咄嗟に縋るように、求めるように相手の服の袖口をぎゅっと掴んでしまい、少し間をおいてから自分の手元に視線をやり、ようやく自分がとった行動を理解すると紅潮したまま慌て始め、もじもじと気まずそうに狼狽えつつも掴んだ袖口は離さず、離せずにいて。相手の言葉に驚くと同時にぱああっと表情を明るくし、相手が自分の存在によって安心出来るというだけでも嬉しくてたまらないのに、その上それが出来るのが自分だけなのだとしたらと考えるだけで舞い上がってしまう気持ちが抑えられず、目線を逸らした相手にキラキラとした眼差しを向けながら、浮ついてトーンの上がった声色で喜びを噛み締めて。当の本人は、本で勉強することで簡単な料理が更に楽勝になるくらいの気持ちでおり、ますますやる気が湧いてきたのか、相手の胃袋を掴むつもりでいるようで、自信満々に胸を張りながらニコニコと微笑み、まかせてと元気よく宣言して。火照った頬を撫でられるだけでどんどん顔の赤みは増していき、ぴく、と軽く震えて甘い吐息が漏れてしまい、すっかり相手に夢中になっているような、蕩けた自分の声さえも恥ずかしすぎて逃げ出してしまいたいとは思いつつも、これ程までにドキドキさせられて、こんな状態で相手が離れていってしまうのは寂しく、辛く、それはそれで耐えられそうになくて、とうとう諦めたように潤んだ瞳で相手をじっと見つめると、恥じらいを必死に押し殺し、本音を絞り出すように、吐息混じりのか細い声でお願いと口にして)
昔話…?…あー、えと、…うーん、その。
せっかく来て下さったのに本当にごめんなさい、実はあたし、今……ちゃんとお話を聞ける自信がなくって、い、色々ありまして…!
(昔話と聞き、絵本等でよく見かける童話のようなものを思い浮かべると、正直今はそれどころではなく、せっかく相手が楽しいお話をしてくれたとしても笑顔でいられるかどうか、そもそも相手の話が頭に入ってくるかどうかさえ怪しいため、相手の好意を断るのは心苦しくはあるものの、正直に告げないまま適当に聞き流してしまう方がもっと失礼かと思い、申し訳なさそうに眉を八の字にし、言葉を選んで内容をぼかしつつも、今は桐島さんのことで頭がいっぱいで、昔話を聞く余裕がないと答えて)
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