あの日の少年 2019-11-23 00:09:49 |
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自分の心配だけって…そういう訳にはいかないの。それに私なら大丈夫だから。とりあえず今の成績なら志望校に行ける確率も高いって言われてるし。
( 両親が共働きな以上、常に傍にいる自分が義弟の勉強の心配もしなくてはいけないという義務が勝手に働いており、それは親以上に過保護になってしまっているのだが今更それを変える事はできずにいて。確かにこの時期は進路を決める大事な時なのだが、性格上自分のことよりも大切な義弟が最優先であり、勉強は家事が全て片付いてからでも寝る前の数時間程度あれば復習くらいは出来るだろうと算段していて。ふとネクタイを締め直す仕草を見つめていればそんなに普段から締めすぎていたのだろうかと疑問を抱けば「私そんなにきつく締めすぎてた?それなら言ってくれたらよかったのに…。」と申し訳なさそうに眉を下げれば少し反省したように俯いて。暫く歩いていれば分かれ道に差し掛かり、少し遠くの方で見知った顔を見かければ慌ててそちらに手を振りつつ義弟に笑顔を向けて )じゃあ私こっちだから。友達が待ってるから先に行くね?放課後一緒に買い物行けるの楽しみにしてるから。
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