ＩＦ?夢の続き?【ＮＬ/女性Ｃ募集】

おはよう、和成。じゃあ食べよっか。いただきます。
（ リビングに降りてきた彼に視線をやると、いつの間にか背が伸びている事に気付けば〝また伸びたんだ…。ちゃんと男の子になっていってるんだな〟と思わず見惚れてしまい次第に紅く染まっていく頬を指摘されないうちに手を合わせ朝食を食べ始め。トーストにバターを塗り終われば彼の前にそっと置き「今日もお母さん達遅くなるみたい。晩ご飯どうしようかな…帰りに買い物して帰らないと」と話しかけながら晩ご飯のメニューを考え始め ）

いただきます…
(まだ義姉が目の前にいるという状況に慣れず言葉少なになって、両手を合わせてただ一言そう挨拶をして自身の好物でもあったスクランブルエッグへと手をつけて、口の中に広がる懐かしくも優しい味わいに涙が出そうになるが、どうにか耐えて俯きがちに「うまっ…茉由姉、ケチャップとって…」とスクランブルエッグに夢中になってるフリをして。バターたっぷりのトーストを手に持ちながら、そういえば当時も両親はいつも忙しそうにしていて殆ど相手と二人きりだったなと思い返して「それなら簡単に惣菜でも……じゃなかった、えっと、荷物持ちぐらいなら手伝ってもいいけど…」一人暮らしが長くその癖でそんなことを言ってしまってから慌ててそう言い直し)

はい、ケチャップ。えっ…和成から手伝うって言ってくれるの珍しいね？いつもなら私がお願いしないと手伝ってくれないのに。
（ ケチャップを手渡しながら自分が作ったスクランブルエッグを美味しそうに食べてくれる姿を微笑ましそうに見つめ、自身も黙々と食べ進めていき。ふと買い物を手伝ってくれるという言葉に飲もうと持っていた紅茶のカップの手を止め驚いたように数回瞬きを繰り返し「じゃあさ、今日何食べたいか考えといて？学校終わってから買い物行く予定だから、終わったらいつものスーパーに集合でいい？」と残りのトーストを口に運びながら問いかけて ）

うっ…別にいいだろ、今日は…なんとなく肉じゃがの気分だったし、リクエストしたら茉由姉はどうせ買い物を手伝えって言うだろ
(確かに当時の自分が何か言われる前に自主的に手伝いを申し出るのはかなり珍しいことで、どうにも自分の発言が裏目に出ているなと感じればスクランブルエッグにケチャップをかけつつ少しだけ考えてから、荷物が多くなりそうなメニューをリクエストして予め何か言われる前に先回りして手伝いを申し出ただけだとなんともそれらしい言い訳をしてやり過ごそうとするという機転を利かせて。「…とにかくスーパーの前に行けばいいんだろ？じゃあ俺先に行くから…」朝食を半ば口に詰め込むように一気に完食すればこれ以上ボロが出る前に一時この場は退散しようとして)

わかった、肉じゃがね。…私が思ってたことより先に言うなんて…さすが和成！お礼に美味しい肉じゃが作ってあげるからね。
（ 彼のリクエストに嬉しそうに頷けば、これが長年一緒に住んでいた故の成果なのだろうかと、半ば感心したように手を伸ばせば優しく彼の頭を撫でて。「うん、そういうこと。…って、ちょっと待ってよ。たまには一緒に行こうよ。すぐ片付けるから！」いつの間完食したのか席を立ち学校へ行こうとする彼を何とか制止すれば自身も急いで食べ終え、慣れた手つきで次々と食器を洗っていき身支度を整えれば真っ先に玄関に向かい ）ーよし、じゃあ行こっか。

わ、わかったからやめろよ、髪乱れるだろ…
(頭を撫でるその手の優しさは彼女に対し自分にとって義理の姉以上の感情を抱いていた時の感情が思い起こさせられるようで、胸が苦しくなってしまえばそんな感情を突っぱねるように相手の手を軽く払って。通学路でも何かと世話を焼こうとしてくる義姉と一緒に歩いて同級生たちに茶化されるのが嫌で一緒に行こうと食い下がる相手のお願いも当時の自分は時々無視したりすることもあったが、流石に今の自分にそれをして相手の表情を曇らせるようなことは出来ず「…早くしろよな、忙しいんだから」と短く答えて玄関へ先に向かい携帯をいじりながら相手を待ち。しばらくして相手がやってくると注意を受けて直される前に癖で緩めにしていた制服のネクタイを締め直して)

ーそういえばさ、そろそろテスト近いんじゃない？ちゃんと勉強してるの？分からない所あったら教えてあげるからね。
（玄関の鍵を閉めて通い慣れた道を並んで歩きながらちらりと彼に視線を向ける。いつもなら照れ隠しからか隣を歩く事を拒否していた彼だが、今回ばかりは大人しく隣を歩く事を許可してくれた事に自然と頬は緩んでいき。ふと視線を彼に向ければ普段はネクタイを緩めにしている筈なのに今日はちゃんと締めていることに気付かないはずも無く、「今日は真面目にネクタイしてるんだ。どういう風の吹き回し？」と揶揄うように問いかけ ）

んー…まあ、ぼちぼち。俺の方は別に大丈夫だから茉由姉は自分の心配だけしたら？
(なんとも幸せそうな顔で隣を歩く相手を見ていると、こんな些細なことで喜んでくれるのなら当時の自分には難しいことだったかもしれないがずっと一緒に登校していれば良かったなとそんな風に思って。既にこれが夢なのか現実なのか区別がつかないところまで来てしまっているが、もしこのまま義姉が生きているこの世界で生きていくことになれば自分は再び中学の勉強をすることになるのかと相手の言葉で思い出し、流石に今の自分なら余裕だろうと楽観的に考えれば相手は自分のことを優先するよう気を回して。ついつい無意識に真面目さを発揮してネクタイを締め直してしまったが、これまでの自分ならば確かにこんなことはしなかったなと自らの失態に気づき「…別に、ただ茉由姉にやらせたらいつも苦しいぐらいに締めつけてくるから自分でやった方がマシだと思っただけだし…」身嗜みに対して相手があれこれ言ってくるのは今日に始まったことではないため、今日に限ってそんなことを言うのも少し変だが他に上手い言い訳も思いつかずそう答えてはバツが悪そうに顔を背けて)

自分の心配だけって…そういう訳にはいかないの。それに私なら大丈夫だから。とりあえず今の成績なら志望校に行ける確率も高いって言われてるし。
（ 両親が共働きな以上、常に傍にいる自分が義弟の勉強の心配もしなくてはいけないという義務が勝手に働いており、それは親以上に過保護になってしまっているのだが今更それを変える事はできずにいて。確かにこの時期は進路を決める大事な時なのだが、性格上自分のことよりも大切な義弟が最優先であり、勉強は家事が全て片付いてからでも寝る前の数時間程度あれば復習くらいは出来るだろうと算段していて。ふとネクタイを締め直す仕草を見つめていればそんなに普段から締めすぎていたのだろうかと疑問を抱けば「私そんなにきつく締めすぎてた？それなら言ってくれたらよかったのに…。」と申し訳なさそうに眉を下げれば少し反省したように俯いて。暫く歩いていれば分かれ道に差し掛かり、少し遠くの方で見知った顔を見かければ慌ててそちらに手を振りつつ義弟に笑顔を向けて ）じゃあ私こっちだから。友達が待ってるから先に行くね？放課後一緒に買い物行けるの楽しみにしてるから。

ああそう…ならいいけど。俺の勉強なんかに付き合ってたせいで志望校に落ちたとかなったら寝覚が悪いからな
(表向きは生意気な態度でそう言葉を返しつつ、そういえば彼女はかなり成績が優秀だったなと今更になって思い出して、あの頃の自分はそのことに何の疑問も感じていなかったが今にして思えば家事だけでなく自分の勉強をみてくれたりそんな生活を送りながらもよく高い成績を維持できていたものだと素直に感心するばかりで。こちらの不満を真に受けて反省の色を相手は示しているが、実際にはキッチリ着るという観点で言えば常識の範囲内であり、ただ窮屈なのが嫌で文句を言っていたというのが実情で「言ったって茉由姉は譲ってくれたことないと思うけど…」しかし、ここでまた相手をフォローしてしまえば何かがおかしいと思われてしまうと考え、決して相手を責めるような声音ではなく諦めた様子でそう呟くだけに留めて。分かれ道にさしかかり、相手と一旦別れて別々の道を歩き始めると、そこで夢が覚めてしまうのではないかと危惧したがそれも杞憂であったようで懐かしい中学校での生活は恙無く終わり、無事に放課後を迎えれば約束していたスーパーへ向かい。待ち合わせ場所にまだ相手が来ていないことを確認すれば自身の置かれている現在の状況について一人考えを巡らせて)
茉由姉は…まだ来てないか、それにしてもこれは一体どういことなんだ…？夢にしては全然覚めないし、何よりあんなにらしい茉由姉が夢に出てきたことなんてこれまでになかった…

和成、ごめんね遅くなって！なかなか先生が帰してくれなくてさ…。よし、じゃあ気を取り直して買い物しよっか。
（ ようやく放課後を迎え急いで待ち合わせのスーパーに行くべく靴箱に向かおうとしたものの、今後の進路の事で話があると担任に足止めされてしまえばそれに従うしか他ならず暫く担任と話をしていて。その後話が終われば時計を見て慌てて靴に履き替え全力で走りながらスーパーを目指し、既に来ていた義弟に気付くと息を整えながら遅れたことを理由をつけて謝り。暫くして呼吸が落ち着けば買い物かごを手に取り店内へと入っていけば、野菜コーナーに並んでいる肉じゃがに使う玉ねぎ、じゃがいもを選り好みながら次々とカゴに入れていき。「野菜はこれでよし。…えっと、あとは…お肉…。あ、今日お肉安売りの日だ！ていうか卵も安い！おひとり様2パックまでって書いてあるから4パックも買える。これはお買い得すぎる」と精肉コーナーにてお肉を物色しふと辺りを見回していればお買い得商品の卵に視線がいくとまるで主婦のように目を輝かせ、有無を言わさず義弟の腕を引きながら半ば強引に卵を持たせて ）ちゃんと2人でいるって言う所を見せないとダメだからどこにも行かないでね？ねえ、そういえば肉じゃがだけでいいの？他にもリクエストあるなら作るけど。

別にいいけど、そんなに待ってないし…
(慌てて走ってきたのが見て取れる相手の様子を見れば責めることなど出来るはずもなく、気にすることはないとばかりにそれだけ口にして店の中へと入っていき。買い物のことは大人しく相手に任せることにして後をついて歩いていて、特売品を見て相手が目の色を変えるのを見れば「へえ…確かにお得だな。…ってか、茉由姉興奮し過ぎ、わかったから落ち着きなよ、恥ずかしい」こちらもそれらの値段をさりげなく見やれば確かにかなりのお買い得で、一人暮らしをしていた頃なら有無を言わさず確保しておきたかったほどで目の色を変えかけたが、今は自分は中学生だったと思い直し卵パックを手にクールにそう言い直し)リクエストね…なら、ブリ照りとか？久しぶりに食いたいな

ブリ照りかあ…。確かに最近魚食べてなかったし、リクエストに応えましょう。そうと決まればブリの切り身買わないと。
（ 滅多にない特売品に思わず我を失い興奮していた事を注意されればハッとし辺りを見回して。奇遇にも誰にも見られていないことに安堵の表情浮かべれば、小さく息をつき何事もなかったかのように鮮魚コーナーに向かっていき。「えっと、ブリの切り身は…あった。ねぇ和成、鮭が安いんだけどさ明日の朝焼いたら食べる？お母さん達食べるかな。」目当てのものを見つければ隣に並んでいた鮭の切り身を手に取り問いかけて ）

鮭か、俺は朝それでも別に構わないけど？親父も義母さんも和朝食の方が好きだから文句ないだろうし…そしたら納豆と味のりは絶対欲しいな
(紆余曲折はありながらも今夜の献立が無事に決まり、明日の朝食について話が及ぶと、焼き鮭ということはやはり我が家の定番の和朝食ということになるだろうと考え、両親とも相手の手料理ならばどんなものでも喜んで食べるだろうが、それが洋食か和食かで言えばどちらかというと和食派な二人なら尚更だろうと確信を抱きつつそう答えて。自身の中で和朝食の組み合わせとして絶対に外せないその2点を挙げれば、それさえあれば自身もそれで何の異論もないということを伝えて)

そっか、なら鮭も買っておこっと。納豆はまだ冷蔵庫にあったはずだから…あとは味のりね。私他の食材とか見てくるから味のり探してきてもらってもいい？
（ 義弟の言葉に相槌を打ちながら持っているカゴに鮭の切り身を入れて。その後味のりと言われれば家にストックがなかったことを思い出せば味のりが置いてあるコーナーとは反対方向を指差しながらお願いをしながら自身は他のコーナーへと歩みを進めていて。「うーん…他に何か買っておく物なかったかな。とりあえずはいっか、また明日にでも買い物来よう」ひと通り見て回ればそこまで欲しいものは見当たらず義弟がいるであろう乾物コーナーに向かおうとしていて ）

へいへい、りょーかい…
(気怠そうに返事をしながらも、素直に言われるまま味のりの売っているであろう乾物のコーナーへと向かい、そこで目的のものをすぐに見つけだせばそれを手に取って、下手にあちこち動いて行き違いになったりしないようその場で相手を待つことにしてはみたものの、よりにもよって乾物のコーナーでは見る場所も何もなく、仕方なく興味も何もないがなんとなくそれとなしに商品を手に取って裏側を確認してみたりといかにも買い物をしてますアピールをしつつその場で相手を待ち続けて)遅いな、茉由姉…まあ、行き違いになって探し歩くよりはいいか…

あ、和成いた。ごめんね、お待たせ。そろそろレジ行こっか。
（ 乾物コーナーに着き、何やら商品を持っている義弟を見つけると片手を軽く振りながら声をかけて。携帯で時間を確認しいつもの悪い癖でスーパーに長居してしまったことを少し反省しながらもレジを指差し重そうに籠を持ち替えながらレジに並び。「割とレジ空いてて良かったね。帰ったら早く肉じゃが作らないと…美味しい肉じゃが作るからね！」と振り返りながら柔らかく微笑みかけ、会計が終わるとレジ袋に食材を入れていき ）

そうだな…茉由姉、袋こっち渡せよ。腹減ったし早く帰ろうぜ
(相手の買い物が長いことは昔からの付き合いで折り込み済みで、それを別に責めるようなことは言わず夕方のこの時間大体は夕食の買い物に来ている主婦が多く並ぶレジの行列に巻き込まれることが多かったように思ったが今日はそれがなくて良かったと相槌を打ち、自分が重たい野菜などの入った袋を持つのは当然として、更に相手の持っているもう一つの袋も半ば強引に引き受ければ、こうして手伝うのは待たされてお腹が減ったから早く帰りたいだけなのだと素直ではない言葉を発して少しだけ早足に帰路を歩いていき)

え、ありがとう。いつの間にか頼もしくなったね。
（ こちらが頼まなくても自ら進んで買い物袋を持ってくれた事に少し驚きながらも嬉しそうにお礼を告げて。夕方ともなれば少し肌寒く感じ軽く身震いしながら先を歩く義弟を追いかけるように慌てて隣に並び「小さい頃さよくこうやって並んで歩いてたよね。それがいつの間にか私の背を越しちゃってるんだもん。高校生になったらどこまで伸びちゃうんだろうね？」ふと足元に影が伸びれば昔のことを思い出しながら横に並ぶ義弟を見つめ、頭を軽くぽんっと撫でて ）

さあね…そういう茉由姉の方はあんまり昔から変わってないよな
(身長による歩幅の差を埋めるように小走りで追いついてきた相手を横目に、こちらも歩くペースを落として横並びで歩みを進めて。小学校を卒業するより前ぐらいまでは身長も今よりずっと低かったが、中学の2年生になるかならないかぐらいに一気に身長も伸びたように記憶していて、相対的に相手の身長は自分の中ではそれほど変化があったようには感じられず、当然ながら多少の成長は当然しているのだろうが率直な感想をそう口にすれば口角を上げて意地悪く笑って。「…ていうか、茉由姉はいつになったらこういう子供扱いやめてくれるわけ？」成長した、大きくなったとそんな言葉とは裏腹に頭を撫でる手はまだ彼女よりも身長が低かった頃から変わっていないように思えて、それは文字通り最期まで変わらなかったことを思い出せば苦虫を噛み潰したような顔になりながらも、冷静な口調でそう問いかけて)