斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
通報 |
……先生、見つけました…。
( 彼に告白し勉強すると言ったあの日から一瞬間が過ぎて。あれから携帯で色々検索してその知識は結構凄いことになっていて。しかし他の誰かに試して完成度を上げる…ようなことはせずに有りのままの自分で彼にぶつかろうとその機会を伺っていたが一向にそんな日は訪れず一週間が経ってしまい。その原因の一つは彼にある。無視されるようなことはないながらも意図的に二人きりにならないようにされている気はしていて。そして今はタイミングが悪くテスト週間。普段から勉強は欠かさないようにしているため成績を下げるようなことはないが教師である彼がこの期間、採点やら補習生徒への問題作成等、忙しいことは何となく知っていて。邪魔をしたくないこともあり不用意な接触は敢えて避けていたがでもそれも今日はもう限界。テストをきちんと終えた放課後。彼の姿を探して教室を出る。見つけたと思ったら彼はあの体育教師とまた話している。もやもやとした感情が自分に沸き上がり少し戸惑って。こんな気持ちになったのは生まれて初めてで。二人の会話をまた盗み聞き彼はどうやらこの後、シーツを干すため屋にいることは分かって。彼の居場所はわかった。今すぐに駆け寄り彼の手伝いをしたかったがこのもやもやを無くしてから彼に会いたいと思えば一旦トイレの水洗い場に移動し蛇口を捻ってパシャパシャと水で顔を洗いハンカチで拭って。冷たい水が肌に触れ頭がすっきりとしてきては蛇口を捻って水を止めてハンカチをポケットへ仕舞い。ペチペチと更に気合いを入れるように自らの頬を叩いてはその足は屋上へと向かい。ガチャリと開けた屋上の扉。そこには風に揺れるシーツと彼の姿。トクンッと鼓動は跳ねるも彼が最後の一枚だろうか…シーツへ手を伸ばした矢先にビュオッと強い風が吹いて──その瞬間、反射的に駆け出し一気に彼との距離を詰めてはその体目掛けて勢いのままに抱きついてポツリとそう呟き柔らかく笑みを浮かべて )
トピック検索 |