斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
通報 |
……情けないな…( 相手が去ってから暫くふらりと体育倉庫の壁に凭れては夕暮れ時の空を仰ぎ見て苦笑を零して。ほわほわと可愛いばかりの相手だと思ったが完全にリードされていて、触れ合った唇に指先を触れさせてはまた火照りだす頬に顔を俯かせて。アプローチについては了承した。だが今の自分の心境で果たして許容できるものなのか。キャパオーバーになる気しかしないが、相手に『恋人になって貰うために勉強してくる』とまで言わせたのだから自分も誠心誠意応えなければならないと思い。だが先程は相手からの口付けに動揺していたこともあって、気をつけて帰れよとくらいしか返せなくて。本当に情けない。経験はそれなりにあるはずなのに、年下の生徒にこんなにも心をかき乱されるなんて。小さく息を吐き出して保たれていた背を起こし喫煙スペースへ足を向けかけるも思い直して一度職員室へ戻るため昇降口へと踵を返して )
…俺は雑用係じゃないってのに…( 相手からの告白を受けてからもはや一週間、相手とは授業で顔を合わせる程度でしっかりとは話していない。と言うよりかは自分が未だ答えを出せずに悩みあぐねていて意図的に避けている部分が少しあって、無視をすることは決してないが授業が終わったらすぐに教室から出るようにしており。今学校はテスト週間。午前中には生徒は帰宅して、今自分は屋上にて礼の幼馴染の体育教師に押し付けられた雑用である運動部の学内合宿で使う布団のシーツを干しているところで。何十枚もあるシーツを一人で干すのは骨が折れたがそれも漸く残すところ一枚。カゴに残るシーツに手を伸ばした時、丁度突風が吹けば軽く目を瞑って )
トピック検索 |