斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
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( 数日後の学校の職員室、今日は相手のクラスの授業の受け持ちがある日で今は丁度その授業の前の休み時間。化学は毎日ある科目ではないから学校に行けば相手に毎日会えるというわけではない。備品の買い出しや化学準備室の整理のように相手が手伝ってくれたりでもしなければ限られた曜日の一限分の時間しか会うことはできない。それも授業なので相手個人と話すことはまず出来なくて。それでも相手の顔を見るだけでも癒やされている自分がおり、手元の手帳に視線を落としは授業の時間割リストにある相手のクラスの部分を指でそっとなぞる。脳裏に倉庫に閉じ込められた時、相手とコートを分け合い手を繋いだことや、帰り際に相手がミルクティーを受け取り嬉しそうにはにかむ表情、そして頭を下げてパタパタとアパートに戻っていく背中が鮮明に浮かんではそれを遮断するようにパタンと手帳を閉じて。…いけないな。と胸中でひとり呟くと授業で必要な物を腕に抱えて相手のクラスへと足を進めて )
…欠席か…。…江頭、斎藤から何か聞いてるか?( チャイムがなる少し前に相手のクラスの教室に入っては無意識に相手の席へと視線が行く。するとそこは空席。教室の中を見回してもその姿はない。授業態度は至って真面目、授業開始前には必ず席にいるはずの相手が居ないのは違和感がありクラス名簿を開いて確認してみると朝のHRからおらず欠席理由も不明となっており。相手が無断で欠席なんて…そんなことあるだろうか。確かに少々抜けているところはあるが報連相の報連は怠るような質ではないはず。不審に思えば以前相手にポッ○ーを上げていた男子生徒に相手から連絡は来ていないか聞いてみるもどうやら朝からSNSも既読が付かないようで。…おかしい、と心配になるも授業開始のチャイムが鳴れば心配は拭えないながら授業を始めて。
そして今は放課後、相手が欠席と知ってから嫌な予感がずっとついて離れず担任でもない自分が動くのは気が引けたが、もしものことがあってからでは遅い。そう思うと鞄を持って職員室から出ると相手の家へと向かっていて。
相手の家に着くと扉の前まで来てチャイムを鳴らしてみるが応答はない。もう一度だけチャイムを鳴らすも結果は同じで少し躊躇いつつドアノブに手を掛けて回してみるとガチャリと音を立てて扉が開き。そしてゆっくり扉を開き中を覗いて…「__ッ!? 斎藤…!」そこにはうつ伏せで倒れている相手の姿が。一体いつから倒れていたのか。制服姿なのを見れば朝からだろうかと考えると唇を噛み締めては靴を脱いで急いで相手の元へ掛けよるとその身体を抱き起こして。ひどく熱い体温、紅潮した頬や額に浮かぶ汗、高熱があるのは一目瞭然。「…部屋、上がらせて貰うぞ。」聞こえているかは分からないが一声声をかけると相手を横抱きして部屋の奥へ進ませてもらいリビング来て目についたソファにひとまず座らせては正面に屈んで「斎藤…、大丈夫か?」と相手の髪を優しく撫でて声を掛けてみて )
(/場面の移動有難う御座います。そして前置きが無駄にダラダラと長くなってしまい申し訳ありません。場面も2,3転しているのでもし分かりづらい部分がありましたらご指摘ください。ここからまた宮本の葛藤が始まりそうです…。)
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