斎藤 司 2019-10-30 11:40:32 |
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嗚呼、おつかれ。斎藤がいてくれて助かった。ありがとな。( 荷物を全て運び終えると花のように笑う相手の頭をポンポンと撫でて。始めは誰かに触れることをためらっていたがこうして触れることができるのはきっと相手だからなのだろうと思い。額に滲む汗を見ればハンカチを取り出して優しくトントンと拭いて遣って微かに微笑みかけ。「…じゃ、車戻るか。何か夕飯奢って家まで送ってくよ。」そう言ってハンカチをしまい倉庫から出ようとしたとき、部活で遅くまで残っていた生徒たちが廊下を走っていてその鞄がたまたま倉庫の扉にあたって、その反動でキィーと音と立ててゆっくり倉庫の扉が閉まってしまい。室内が薄暗くなるも真っ暗なわけではなかったのですぐに扉を開けに行くが、「……開かない。」ポツリ呟きガチャガチャと何度も試して、押したり引いたり色々な方向に開けてみようと力を加えるがびくともせずに。オートロックなはずがないから立て付けが悪くて閉まってしまったのだろう。ハァと小さくため息を吐きすぐにスマホを取り出して、職員室に連絡を入れるも何故か誰も出なく、すぐに今学内に残っていそうな此処数ヶ月で仲良くなった個人の馴染みの教師に電話を掛けてみるも留守録になるだけで。「…悪い斎藤、ドアが開かなくなったくさい。…まあ職員室に誰か戻れば何とかなると思うからもう少し我慢してくれるか?助けて貰ったのに面倒事に巻き込んだな…。ッ…寒くないか…?」スマホをズボンのポケットにしまって相手に振り返っては済まなそうに眉を下げて謝りつつも不安を与えないよう必ず扉は数十分もすれば開くだろうことを告げて。校舎内の倉庫とはいえ基本学校は教室以外暖房器具はない。冬の校舎でましてや倉庫。床や壁から冷気が伝わってきては汗をかいた身体ではより冷えて風邪を引いてしまうのを懸念して、スーツの上から外行き様に着ていたコートを脱ぐと相手に近づき。その際ピキリと片足に鋭い痛みが走って小さく眉を潜め。実は何度か備品を運び車と倉庫行き来するとき、倉庫内に何かものが落ちていたのかそれを踏んでしまい、情けないことに軽く足を捻ったかで痛めてしまったようで。相手に悟られないよう我慢していたのがいけなかったのかもしれない。捻った当初よりも鈍い痛みがひどくなっている気がしたが状況が状況なだけに気にせずに相手に近づくとその肩にコートを引っ掛けてやり。「あそこ座れそうだから座ってていいぞ。」と備品庫であるため椅子も丁度あってその椅子を指差して )
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