匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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【お題:気になるあの子 】
(学校中の噂の的、我らが麗しのマドンナは2年B組にいた。外国からの転校生だと言う彼女は蝉が喧しく鳴くある夏の日、田畑が一面に広がる長閑な田舎にはおおよそ似つかわしくない、豊かな金色の髪を靡かせてこの学校にやって来た。見慣れない青い瞳、透き通るような白い肌。緊張しているのか桃色の薄い唇から遠慮がちに繰り出された天使のような微笑みは、田舎育ちで初心な少年達のハートを撃ち抜くには充分だった。例に漏れず自分も被弾者の一人。日に日に彼女を知りたい気持ちは高まる物の、彼女が喜ぶような話題なんて見当もつかないし、そもそも女子と話した自体数えるほど。ちゃんと話せるのだろうか、変な事を言ってしまわないだろうか…と不安に駆られて足踏みし、そんなこんなで彼女がやって来てから早一ヶ月。未だ交友の糸口すら掴めないと言った有りさまだった。
───最初の一歩すら踏み出せないまま、気になるあの子はその内に他の男に掻っ攫われてしまうんだろうか。)
……そんなの、嫌だ。
(生徒の殆どが帰って閑散とした放課後。真っ赤な夕焼けの差し込む教室で一人黄昏れながら、誰に言うでも無くポツリと呟く。気付けば教室を飛び出て走り出していた。思春期真っ只中の少年と言う物は恐ろしい。一度覚悟を決めたらぶつかる迄は止まらない。この時間なら、確かあの子はいつも校舎横の花壇にいた筈だ。噂では花の手入れが趣味らしく、放課後に花壇の花に水をやっているのをよく見かけた。体質なのか強い日差しを浴びても真っ白なその肌に、サルビアの紅がすごく映えていたのを覚えている。走って、走って、走って。やっと辿り着いた校舎の横。花壇の前には如雨露を持ったあの子がたたずんでいた。驚いてこちらを見る青い瞳と目線がかち合う。荒い息を吸って、吐いて、整えて。そうして弾き出したのは、覚悟を決めた割には笑えるくらいに呆気ない言葉。けれども知り合える切っ掛けになればと、君に近づく入り口になったなら、と。そんな縋るような一心で出された言葉)
お、俺とっ!友達になってくださいっ!
(/素敵トピを見つけて衝動的に書かせて頂きました。駄文な上にややテーマから逸れてしまった気もしますが、折角なので記念に投下を。初心な少年の拙い思いに応えてくださる、麗しのマドンナ様がいらっしゃいましたら…と淡い期待を込めて矢印を付けさせて頂きます)
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