匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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[猫の日]
(茜に染まる教室。成り行きで生徒会の仕事を手伝う事になってしまい一人取り残された教室の片隅で書類の山を一枚ずつ、時に加筆修正をしながら黙々とこなしていく。皆が下校や部活で自分を除き生徒は誰も居ないこの時間は唯一の光源が夕日である為か、いつも賑やかな昼間がどこか懐かしく一抹の寂しさを覚える。いつも通りであれば今頃とっくに帰宅し窮屈な制服を脱いで宿題なり家族との会話を楽しんでいた頃だろう。本当は雑務を押し付けられたくなどはなかった。しかし断る理由など思い浮かばず、挙げ句君にしか頼めないとまで言われてしまい半ば押し付けられる形での依頼を跳ね除けれず今に至る。ただ守るべきとされる規則を守っていた、それだけで優等生だと周囲に認定されていたようだ。信用を得ているのは嬉しい事ではあるが輪に入りそびれ、また規則に背こうと思ったことが無かっただけだと言うのに。ため息を一つ、そして最後の一枚を終え不満やら濁った感情を鉛筆と共に筆箱へ押し込み顔を上げると一番に深緑の大きな黒板が視界に入ってくる。ふと端に書かれた今日の日付が筆箱の隅に描かれた動物のシルエットの鳴き声を連想させるものであったから。思いつきでバッグから携帯を取り出し、席を立つと教卓を回り込みすり減ったチョークを一本手に取るとへの字を2つ書き、カメラ機能を呼び出すとその下に自分の頭が来るよう画角に収める。そういえば同じ様なことを騒がしい女生徒が友人と笑いながらしていたっけ。画面に触れるとどういった表情をしていいか分からず眉根を寄せたセルフィーが保存される。自嘲気味に目を伏せ)──にゃーん、……なんて。
〆
(/無理矢理感半端ないですね、サァセン。絶対このあと忘れ物なりで偶然教室戻ってきた生徒に見つかるパターン…
猫の日×陽キャに憧れる真面目ちゃんでした。長々と拙い文章を申し訳ない。スペース感謝です)
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