これを恋と呼ぶには、重すぎる。［BL／一対一］

　
　
……行くか。
（まさか頷くとは思っていなかったのだろう、驚いた表情を一瞬浮かべるも直ぐに上機嫌な笑顔へと変わった相手の背中を見つめては一つ溜息を溢し。何処まで自分の事を知っているのか確認したい。確認した上で知っているのであれば鍵を刺さなくては。余計な世話は無用だと、誰にも話せぬ様に。そして相手の後を追うよう足を進めて、やがて保健室まで来れば軽くノックしてから中へと入って）
　
　

──どうぞ。
(ノックの音を聞き招き入れると、ちらりと相手に視線を移し。寝不足だという建前は聞いたけれど、態々己の目の届くところで無防備に寝るわけでもあるまいと考え付き、手元にはカップが二つ。急須から茶を移すとそれを両手に机に運んでソファへと座り、相手に向かいに座るように手で促して。無作法に肩肘をつきながら相手の様子を伺い)
さて、お話聞きますよ。なんでもね。

　
　
……アンタさっき俺に、袖の下どうなってんのって聞いたよな？しかも怪我してるって確信の上で。確かに俺は怪我をしてる。けど何でソレをアンタが知ってるのかが分からない。だから俺が聞きたいのは何でアンタがソレを知ってるいるのかだ。
（ノックをして直ぐに中から応える様に声が返ってくれば扉を開けて中へと入り、二人分のお茶を淹れた相手が座るよう促して来れば扉を閉めて促されるがままに腰を下ろす。そして何でも知ってると言わんばかりな態度で言葉を紡ぐ相手に微かに眉を顰めながらも、此処でハッキリさせる為に真っ直ぐ相手を見据えながら静かに落ち着いた様子で真意を探るように問い掛けて）
考えられるのは４つ。１つ、誰かがアンタに俺が怪我してる事を知らせたから。２つ、アンタが俺が怪我する場面を見たから。３つ、俺の動きを見て推測したから。４つ、──怪我してる可能性を考えられる、別の何かを知ってるから。
　
　

その中なら３番目ですね。随分暑くなってきたのに長袖のままですし、後は……まあ、勘です。何より、君に興味があったので観察してたんですよ。
(先ほどの顔色の悪さからは考えられないほど冷静にこちらを見定めている様子の相手に、ふむと顎に手を触れながら特に隠すことでもないとスラスラ答えて。その言葉に嘘はないが、全てを話したわけでもない。──虐待を受けているのだろうと考えていることは直接口にはせず、さらには教師の特権を使って個人情報を多少盗み見たなどと言えば進む話も進まないだろうと閉口し。自ら入れたお茶を一口飲み一呼吸置きつつ、前髪からちらりと覗く赤い瞳をすぅっと細めて)
ところで、その"何か"とやら。君、もしかして怪我をするようなことでもしているんですか？

　
　
──してるけど？でもそれはアンタ等学校側が俺達生徒にさせてる事だ、アンタ等教師がとやかく言える事じゃないと思うんですけど。
（普段隠れてる赤い瞳と目が合えば、そうなるかと聞かれる事を予測していたのか慌てる様子はなく落ち着いた様子ですんなりと認め。嘘を見破られない方法は、嘘の中にほんの少しの真実を混ざる事。先程の質問により自分の中にあった相手以外の人間は自分の怪我を知らないという事が確認出来たが、本当に確認にしたい事がまだ確認出来ておらず。そして恐らくそれは相手が知りたい情報でも有ると踏みながら口元に笑みを浮かべ真っ直ぐ赤い瞳を見据えると探る様に言葉の駆け引きを続けて）
──それともアンタの知りたいその＂何か＂ってのは＂別の何か＂ですか？
　
　

……。
(教師がさせているという言葉を聞けば考え込むように黙り込み。学校にはただの保険医として所属しているのみでそう言った暗部への関わりは殆ど持っていないが──小耳に挟んだことぐらいならばある。なるほどそんなことにも関わっていたのかと驚く反面、彼の能力の強さを考えれば納得がいく。真っ直ぐにこちらを見つめる目を逸らさないまま、厚かましいことを口にして)
教えていただけるのなら、どちらも。僕はこう見えて強欲なので。

　
　
…へえ、ソレは知らなかったんだ。
（何やら考え込む様に黙り込んだ相手にどうやら知らなかった用だと判断すれば大人にあまり良いイメージを持ってない自分は＂これだから大人（コイツ等）は＂と内心零し口元に弧を描きながらも冷たい視線を向けるも、此方が予想していたのとは違う返しに思わず顔を顰めて。だが直ぐにまた余裕な笑みへと代わるとアッサリと頷くと同時に交換条件と言わんばかりに言い放ち）
強欲、ね。──いいよ、教えても。ただし、アンタの質問に答えた数だけアンタが俺のお願いを聞いてくれるってならだけど。…どうする？
　
　

その話、乗るのは楽しそうですが……
(思わぬ交換条件に身を乗り出しそうになるも堪えて。口約束でも契約を悪魔に持ちかけてくるなんて、大した度胸だ──知らないのだから無理もないけれど。しかしながら相手のお願いの内容がわからない以上、すぐに頷くわけにはいかない。金輪際関わるななどと言われては本末転倒だし、非常に残念といった様子を見せながら首を横に振り)
やめておきます。君が本当のことを包み隠さず話すとは限りませんし、今すぐにどうしても知りたい…というわけではありませんから。

　
　
なら、話しは終わりですね。奥のベッド借りていいですか？少し寝たいんですけど。
（交渉決裂。頭が回る相手なのは話してる中で分かっていた為、自分の思い通りにはいかないだろうと思っていので特に気にした様子も無く静かにそう呟くとソファーから腰を上げて。これ以上の関わりを断つ事は出来なかったが、相手が何処まで自分の事に気づいているのかという当初の目的は果たせた為良しとし。そしてソファーから奥のベッドに移動しては上着を脱ぎ隅に置くと本気で寝るつもりなのか、そのままベッドに横になり）
　
　

(どうぞと許可を出す前にベッドに行ってしまった相手に、仕方がないなぁとでもいう風な視線送り。残ったお茶を飲み干して中身を空にすると、一口も飲まれなかった相手のカップと共に備え付けのシンクに置いて。相手が保健室にいる連絡をしに行かなくてはと、保健室から一度退室するためにドアに手をかけて)
……時間が来たら起こします。ごゆっくり。

　
　
──知られた。
（背中越しに相手の声を聞き恐らく言いに行ったのであろうドアが開き閉まる音が聞こえれば、誰も居なくなりやっと自分の安寧を得る事が出来一息吐く事が出来たが、すぐにまた相手に自分の境遇を知られてる事を思い出せば不快気に眉を寄せて。誰にも知られたく無かった、誰にも触れられずこのまま終わってく筈だったのに。悔しげにギュッと強く手を握り締めてはそのまま無理矢理目を閉じ、浅い眠りにつこうとして）


（/GW前で仕事が忙しく、明日の返信は昼以降は日付けが回ってしまうかと思います。すみません…。GWは比較的ゆっくり出来るかと思いますので、よろしくお願いします。）
　
　

(扉を閉めては鍵をし、表示を不在に替えてから職員室へと向かい。相手が授業を休むことの伝達はそう時間はかからずに終えたが、すぐに保健室に戻るのはなんとなく憚られ暫しの間職員室に残る教員たちと雑談を。そうして放課後の時間まで暇を潰したあと、大きな音を立てないようにしながら保健室へ入ると、眠っている相手の顔を覗き込み様子を伺いながら潜めた声で)
──もう放課後ですよ。

(/連絡していただいてありがとうございます…！主様のご負担にならない程度にお返事いただければ満足ですので、ご無理はなさらぬよう…！)

　
　
……──ん、
（鍵を閉められた保健室には誰も入ってくる事無く、その為起きる事も無く放課後まで浅くも長い間眠りにつく事が出来て。だが人が多いせいか寝てる間に見る夢の量は多く、やがて相手の気配と声にピクリと反応すればそっと目を開けては紫色に変わった瞳が露わになり。寝起きのせいかまだ少し頭がぼーっとしており、顔を覗き込む相手をぼんやりと見つめて）


（/すみません、ありがとうございます…！入間本体様も無理のないペースでお相手お願いします！）
　
　

おはようございます。
(以前能力を使っていた時と同じような瞳の色と気付き、前のような冷気は感じないのに不思議なものだと思いながらも、思わずそっと瞼をなぞるように親指を這わせて。からかうように小さく笑い声を上げながら、ぼーっとしているらしい相手に改めて挨拶を)

　
　
……アンタ、本当に寝かせてくれたんだな。
（たった今声を掛けられるまで目を覚まさなかった所を見ると、どうやら自分が眠ってから誰もこの保健室の中へと来なかったらしい。自分を気を遣った訳じゃないだろうが結果的によく眠る事が出来た。自分の瞼に触れる相手を暫く見つめながら借りを作るのも癪だしと考えれば、ゆっくりと身体を起こすと突然脈絡もなくぽつぽつと話し始め）
………グラウンド。空の色が薄暗く変わってたから、今の時間からして恐らく数十分以内。名前は知らないけどユニフォーム番号が6。何が原因か分からないけど倒れる奴が居るから、アンタ行った方がいいよ。
　
　

…それも能力ですか？
(言葉の一つ一つを漏らさないように聞き届けてから首を傾げて問いかけを。自分を離れさせる為の言葉とも取れるが──それならばこんな脈絡のないことを言うよりも、相手がこの場から即座に帰り支度して去っていく方が早い。完全に信じたというわけではなく半信半疑ながら、この時期は暑くなりきっていないからこそ脱水症状で倒れる生徒もいるわけであるし、そうでなくとも運動部が練習中に怪我をすることは良くあること、相手の言葉は無視できないものであり)

　
　
…さあ？アンタをからかう為の虚言かもしれないし、もしかしたら寝言かもしれないな。
（これは自分の能力で、勿論嘘では無い。けれど半信半疑の相手に能力かと問い掛けられれば否定も肯定もせず、信じるも信じないも好きにしたらいいと言わんばかりにそう続けるとベッドから降りて。取り敢えず信じるにせよ信じないにもせよベッドを貸してくれた借りは返したと、相手の視線を感じながらも振り向く事無く相手の横を通り過ぎては扉を開けて保健室から出て行こうとし）
　
　

(/背後のみで失礼致します…！本日中のお返事が出来そうにないためご連絡に参りました。こちらには返信不要です。)

──そうですか。
(保健室から出て行く相手の姿を目で追いながら簡素に返事をして。さて、これから一人倒れると分かっているなら先に準備をしておくかと備品の確認をしながら、視線は先ほどまで相手が寝ていたベッドへ。悪魔らしくもなく随分とあの少年に入れ込んでいる。ハァ、と小さく溜息をひとつ、深く考えないようにと頭を振って)


(/大変遅くなりました…！この先の展開に少々迷いがあり相談なのですが、そろそろ入間が悪魔であるということを葵くんにハッキリとお伝えしたいなと思っております。ですがなかなか良い案が思い浮かばず…、一旦私の要望は抜きにしても構いませんので主様にやりたいシチュエーションなどはございますか？)

　
　

（/こんばんは、本体会話のみで一度失礼します。とんでもございません、リアル優先でお時間ある際にお相手お願いします…！

なるほど、そうですね…。今ぱっと思いついたのが。
例えば此方の伽羅が人間には冷たいですが動物には多少優しく出来るので、何らかで怪我をしてしまい、人間の姿を保てなくなり（コウモリや黒猫）を拾って家に連れて帰り手当て。其処で悪魔の姿を見せる。
もしくは、逆に此方が裏仕事の最中危ない所を相手が悪魔の力で助けられて。その流れで悪魔の姿を知るとか、ですかね…？

此方の伽羅の性格上、口頭より実際に見た方が早いのかなと思ったもので。もし何か考えてるものがあるようでしたら是非其方もお聞かせ願えたらと思います…！）