クラスメイトの僕 2018-11-21 20:29:12 |
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テストか…私、しっかり勉強しなくちゃだね。勉強…教えてくれる?
(テストという言葉に触れるのは酷く久しぶりに感じる。やっぱり、私が塞ぎ込んでいた間に過ぎ去った月日は酷く長く感じる。元より勉強が得意な訳ではない上に何しろ授業を受けていない私にとってテストは大問題で、卒業がかかっている以上どうにかしないといけない。しかし誰に?思案の後にふと隣を歩く彼が思い当たり、おそるおそる口を開き勉強を教わりたいと提案する。彼に世話になってばかりではあるが、久しく顔を合わせてないクラスメイトの友達に頼むのは何処か気まずい。こうなってしまった以上、私が頼れるのはいよいよ彼だけになってしまっていた。\暫く歩けば見馴れた校舎が目に入る。聞き慣れている筈の昼休みのチャイムすら懐かしい。不意にクラスメイトと鉢合わせてしまったらどうしようかと不安がよぎる。今まで通りに接してくれるだろうか。気を使われてよそよそしくされてしまうのだろうか。校内に入り靴を履き変えている間にも次々に溢れて止まらない不安と格闘していれば彼の声で我に帰る。気が付けば廊下を歩いていて職員室へ向かっていた。遠くで生徒の声が聞こえてくる。廊下の先に生徒の影も見える。当然といえば当然のルートだが、やはり胸が苦しくなる。しかし此処迄きて彼に迷惑をかける訳にはいかないと腹をくくり、出来るだけ明るい声色と笑顔を意識し口を開く)
そうだね。わざわざ此処まで連れて来てくれてありがとね。私はもう大丈夫だから…!ささっと済ませて教室行こ!
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