恋現

んー..、あんまり変わりはないよ。強いて言うならテストが近いくらいかな。
( 道中、彼女からの質問に出来るだけ彼への関連性のある情報を出さない様に、そして変に刺激しない様に、ゆっくりと言葉を選びながら答える。無理に話すことも無いのに、今はきっと歩く事さえ辛いはずだ。然し、此処で彼女を甘やかしてしまっては何も変わらない。折角彼女が決心してくれたのだから、なるべくは彼女がこれからもずっと学校へ行きたくなる様に促して行かなくちゃいけない。それを目的に、テストの事を話題に出してみる。学校に行かなくても、最悪テストだけでも受けなくては卒業が出来ない。まぁこうやって学校に行こうとしているから大丈夫だとは思うが、ちょうど良かった。信号を渡り、校門へと入ればちょうど昼休みのチャイムが鳴り響く。さあ、此処からが正念場だ。先ずは彼女をこのまま職員室へと連れて行こう。先に先生方への挨拶を済ませておけば放課後、面倒な事にはならないはず。正面入り口から入り、中履きへと履き替えれば、廊下を歩きながら言った、)先ずは職員室に行こう。先に挨拶だけ済ませた方が良いし。