クラスメイトの僕 2018-11-21 20:29:12 |
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( 良かった、漸く彼女をこの部屋から連れ出す事が出来る。彼が亡くなって以来、彼女は抜け殻の様に毎日を過ごし、僕の声なんてとっくに響く事のない、深い..深い闇へと落ちたのではないかと不安で仕方なかった。いや、実際には堕ちていたのだろうが、それでも彼女を救いたいと思う人達の強い心が、意思が、彼女をこうやって一歩前に歩く勇気を沸かせた。僕一人なんかじゃ、彼女へのこの言葉達は無に還るばかりだったろう。周りの皆んなに感謝が募る。ありがとう、ありがとう。言葉と同時に、涙が溢れそうになる瞬間、開いた扉から、少し窶れた表情の彼女が出て来た。嗚呼、こんなに細くなってしまうほどのショックだったんだね。再び溢れそうになる涙を唇を噛み締めてグッと堪えた。)
うん、行こう。もう授業始まってるし..、今から行けば丁度昼休みくらいじゃないかな。
( 涙を笑顔に変え、僕は言った。そして僕自身に心で言った、お前は彼女の歩きたくなる道になるんだ、と。家を出て、彼女の親御さんが心配そうに見守る中、僕らは学校へと歩き出した。)
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