隊長 2018-10-24 21:35:56 |
通報 |
(机に伏して動かなくなった相手。小さく肩を落とすと手持ちのグラスをテーブルに置く。やはり、当然のように全て気づいていた発言にどうしたってこの男には敵わないのかもしれないと、思惑は成功したのに煮えきれない感情が残って。
残念ながら相手の期待には応えてやれそうにない。なにせ自分のすることは愚直なまでに決められているのだ。ゆらりと立ち上がり相手側に回ると椅子に座らせた状態のまま背中に両腕を回し後手に手錠で拘束すると、スマホを取り出しクラブでも連れ立った歳上の部下を呼び出す。部下を待つ間、律儀にテーブルと食器を綺麗に片付け洗い終えたころ到着を知らせるベルが。相手を背負い地下駐車場で待つ部下の警察車に乗せて自分も後部座席へ乗り地上へ行く。そのときだった。なにかほんの少しの違和感。ねっとりとした嫌な視線を感じ辺りを見るが何もない。時刻は日付を超える一時間前ほど。車も人通りもほぼない道だった。部下に注意を促そうとしたその瞬間、ライトを消した車が猛進してきたのだ。避けられないと判断し咄嗟に意識のない相手の頭を庇うように此方に引き寄せる。直後車体を襲うもの凄い衝撃、束の間意識は暗転して__。
(全身を襲う倦怠感と痛み、じとりとした空気と嫌な臭いに意識が徐々に覚醒していく。手を動かそうとするがどうやら縄かなにかで後手に拘束されている。薄暗いそこは地下なのか窓はなく時間も分からないが体感でいくと9時間以上は経過しているか。しかしそれも定かではない。
『謙也くん、あーやっと一緒になれたね』
(不意に薄暗闇から聞こえた声にピクリと肩を揺らし、身体は動かさぬよう目を凝らしてみれば見覚えのある男が眠っている相手の頭を撫でていて。_確かあの男は凶悪犯リストに乗っていたストーカー殺人鬼。以前二人の男性がその犠牲者となったが次の獲物は相手ということか。それよりも男は相手を“謙也”と口にした。偽名を多く使う相手のこと、それが本名かは探りようがないが今この状況が最悪なのは明白で。
『あれ、目を覚ましたの?』
(こちらに気付いた男を見据えながら、部下の居所を問うと後ろを指でさされ身体をよじりそちらを見ると変わり果てた惨い姿。あまりの惨状に目を背けると『謙也くんを捕まえようとしたからお仕置きした』と。ならばなぜ自分は無事なのか疑問に思う間また男が口を開き。
『…君、謙也くんと一緒にマンション入っていったよね?恋人なの?』
(冗談じゃないと返したい気持ちを堪えながら、拘束している縄を確認する。幸い足の拘束は緩い。腕の拘束もどうやら縄でこれなら袖口に忍ぶカッターで切れる。ただ恐れていたことに拳銃は男の手にあるようで、相手の髪を弄びながら片手で弄んでいて。相手の拘束は先に自分がした手錠だが鍵は恐らく男が持っているだろう。この最悪な状況が相手の“期待”していたものかは分からないが何故か相手の楽しそうな姿が浮かび、ふっと笑いが漏れて。
(/こんばんは。背後が失礼します。今回長くなってしまいすみません。そしてまともやとんでも展開です。今回、謙也くん大好きなモブ男さんを出しましたが詳細の設定は決めていません…。いつからストーキングしていたかとか人物像もあやふやなので、都合が良いように動かして頂けると助かります。あと、勝手に謙也くんの本名をだしてしまいましたが不都合があればそのくだりは無くして適当に偽名にすり替えて読んでください。設定を加えるときロルと別にしても大丈夫です。他にも質問などあればしてください。いつも無理矢理な展開にお付き合いいただき有難うございます。
トピック検索 |