隊長 2018-10-24 21:35:56 |
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(被弾してから数日後、自分はまだ生きていた。目を覚ました時にまずそこに驚いたのだ。あの時相手の手により終わっていてもおかしくなかった命はまだ続いていた。といっても自由を謳歌していた身とはまったくかけ離れている。まだ体を動かすと傷口が痛み、管から液体を投与されなければ平静を保っていることすら難しいだろう。あの時から相手とは会っていない。相手は自分の正体を知ってどう思ったのだろう。自分が相手の殲滅対象であることをもう知っているはずだ、生真面目な相手なら自分に躊躇なく引き金を引くのだろうか。だがそうなると今の状況とは矛盾している。自分が殺人鬼だと知っているのに、相手は自分を殺さなかった。一体なにを考えているのだろうか、他の情報も聞き出すために生かされているのだろうか。それとも別の何かが…そこまで考えて頭を振る。相手は警察だ、可笑しな因縁があって、隠れるように口付けを交わした事実があっても、相手なら仕事をまっとうするかもしれない。次に会うのが怖かった。未だ曖昧な2人の関係が次に会う時にはっきりと決まる。ここから逃げ出して永遠に会わないようにする方がいいのだろうか、だがそれはそれで、相手に会えないのはどこか寂しい気もしていた。いつの間にそんな情を相手に抱くようになったのだろう。
そんなことを考えていると部屋の外から声が聞こえてくる。会話の内容から先程まで考えていた人物のことを噂していることは明白だった。困ったのはその直後の声だ。急に口を噤む声、私語を謹んだその様子にもしや相手が部屋に来るのではと体が固まった)
──なんだあんたか…っ゛ん──!おい、怪我人には優しくしろって…ママに習わなかったのか?
(部屋に入ってきたのはたいそう期待外れな人物だった。相手の兄、血が繋がっているのが嘘のように屑な総監様だ。大袈裟にため息をつき顔を逸らした隙に、警棒で傷口を押さえつけられる。肺から空気を無理やり押し出されたような唸り声が漏れた。言葉ひとつひとつが腹立たしい奴だ、痛みと苛立ちを腹の奥に押しやったまま薄く笑いを浮かべると首を傾げて煽るようにして問いかけ)
(/死因は刺殺ですね!了解しました、では今後はロルでもそのように致しますね。いえいえ状況説明などいつも丁寧にしていただいてますので全く問題ないです。いつもありがとうございます。航くん登場のタイミングはおまかせしますね!)
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