隊長 2018-10-24 21:35:56 |
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(あの夜から一週間以上は経過したか、相手は厳重な監視下にある医療施設に収監され既に意識を取り戻し回復に向かっていると聞くが、まだ一度も様子を見に行っていない。まあ元々余程のことが無い限り療養中の犯罪者を見に行くことはないためこれが普通で、今日までいつも通り日々変わりなく隊務をこなしている。つもりだったが、頭からはあの夜の出来事がこびりつき払拭出来ずにいた。身を挺して自分を庇った相手の表情、言葉、抱きとめたときの感触までもがしっかりと残っていて無意識に表情が強ばる。“真実”を知ってから未だに意志は混迷していて敷かれた道の上で足をとらわれていた。ただ疑心が確信に変わったことでようやく相手と向き合える気がして、あの時は胸の重りも息苦しさも軽くなった気がしたのだ。実際は何十倍にもなって返ってきているわけだが。
_相手の身柄は拘束できた、がまだ本当の意味で相手を捕らえられていない。何もかもこれからな気がした。
相手の実態を暴く証拠の画像、スマホはあの夜から固く閉ざされた自分のデスクの引き出しの中で眠っている。
いつかの公園の狭い暗闇で掛けられたある種の呪いに未だに囚われているようだった。
(医療施設、相手の身体は拘束こそされていないが幾本かの細い管に繋がれ、一定の電子音が部屋に響いていた。窓はあるが天井に近いため外の様子は伺えない狭い個室だ。その個室の前の廊下で別案件で来設していた二人の部下が少々大きめの声で話していて。
『最近の隊長は一層厳しいってか、怖い顔してるよなぁ』
『顔はいつものことだろ。それより仕事量だ。飯も座って食えねーよ』
『まあいるのかいないのか分からない総監よりは全然いいけどな』
『_…おいっ!』
(不意に焦る部下の一人。それもその筈、お噂の総監が3人もの補佐を引き連れお成りになったから。総監は頭を下げる部下には目もくれず病室に入ると補佐を入り口に立たせベッドで横になっている相手にズカズカと近付いていき。
『はっ、良いざまだな!“流れ弾”に当たるとはとんだ間抜けだ。…この前は散々こけにしてくれたな!!』
(横になって動けない相手をいいことに唾を飛ばし嘲笑っては塞がりかけている傷に普段持ちもしない警棒で力を加えて
『あいつ(隊長)もたまには使えるよな。その恨みのおかげでお前を捕えることができたんだからよ。もう逃さないからな』
(奇しくも自分と似た文言で罵っては警棒にまた僅かに力を乗せる。屑の下は屑。補佐たちも鼻で嗤うだけで誰も止めようともせずに。)
(/場面転換ありがとうございます。いえいえ、そんな!本当にてきとうにつけた設定でしたし、展開すすめたのは此方なので逆に申し訳ないです汗 今後は芹崎の母親の死因を刺殺として進めて行こうと思うのですがよろしいでしょうか。あと今回のロル、モブばかりで絡みづらくてすみません。話の展開にもよりますがすぐ芹崎を動かしますね。)
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