隊長 2018-10-24 21:35:56 |
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(いつからこんなに自分はこの男に弱くなってしまったのだろう。周囲を惑わす嘘をついて騙し欺き躱すなんて息をするのと同じ調子でできるはずなのに、今こいつに手を頬に添えられて目線が合うとどうにも体が止まってしまう。体の奥底に沈めた言葉が喉元までせり上がってくる。『逃げろ』と一言いうだけだ、だがその言葉を言ってしまえば自分の所業が相手に伝わり、自分に幻滅してこいつは本来の仕事を即刻遂行するだろう。だが言わなければ相手は死ぬ。どう進んでも終わりの未来しかない。何も言葉を返せずにただ相手を見つめていると、自分の視線の先で微かな音が聞こえた。状況を確認するよりも先に後ろに突き飛ばされ銃弾が放たれる。あの男が怒鳴りながら出てくるのを見るとさすがに心がイラついた。それは相手が自分に明確な敵意を向けたことへの八つ当たりでしかなかったが)
下手くそにもほどがあるぞ、そんなせっかちじゃあ女にモテない。さてと、悪いな──気絶してくれ
(軽い口調を絞り出しながら懐に手を入れる。役者は舞台上に揃ってしまった、あの男に隠れてはもう何もできない。となると大博打を打つことになるが、それには相手の協力が必要だ。相手の目を見る、今までにない真剣な表情を向け『気絶してくれ』と口にした。それは字面通りの頼み事の意を含んでいて、正確には『気絶したふりをしてくれ』だった。だが、今自分に最大限不信感を抱いている相手が気づくかどうか。相手の方に駆け出すとスタンガンを取り出し体に押し付けようとする、相手の動体視力ならばきっとスタンガンが起動していないことに気がつくだろう)
(/ごめんなさい本日と明日用事が立て込んでおりまして返信できず、次の投稿は19日になります。お返事お待たせすることになります、申し訳ないです)
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