The season of harvest / 〆

… …そうか。悪かったな疑って。

(嘘をつけるタイプでもないだろう、少し警戒を解くと、途端に先程までの威勢は何処へやら困惑しきっている様子の相手に少し申し訳なくなってしまう。
思えば最初から、かなり低いとはいえ人が通る可能性のある場所で熊を狩り、予想外の音に警戒心全開で振り返っても、無害そうな自分にすぐ安心した表情を見せ、悪ぶった顔は様にならないし、笑われた羞恥ですぐに赤くなる、その上少し揺さぶられただけで答える義理のない事まで口にしてしまう、そんな目の前の彼女の子供のような素直さ、悪く言えば危うさに義理のない心配さえ覚えてしまった。こんなんで本当に無事に生きてけるのかこの子…と。
さて、身の安全が決まった以上いつまでもフリーズさせておくのは趣味ではない、暫くの沈黙を破ってアッサリと謝罪の言葉を口にする、先程までの極寒の笑みが嘘のような100点満点の申し訳なさげな笑み付きである。ついでにかつて聞いた御伽噺の英雄に例えたのは少々大盤振る舞いが過ぎたかもしれない。)

はは、半分人間なんて"救国の使徒"みたいだな。