irm. 2018-10-17 18:15:01 |
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おーおー、つまらねぇなあ。面白ぇモンがあったら笑ってやろうと思ったのによ。…つかその誰かさんってのは俺様の事か、あぁ?
(普段の粗暴さを感じさせない所作で相手の右ポケットに手を差し込み、目的のものを取り出してはドアを開く。ずかずか遠慮も無く室内を見渡しつつ、最後に換気のためかベランダの戸を引く。彼らしく整えられた部屋は大方の予想通りだが、些細な所から感じる生活感に相手の今まで知らなかった一面を垣間見た気がして不覚にも心臓を跳ねさせ。それを悟られないよう仏頂面をつくれば買い物袋から飲み物を取り出し、勝手に冷蔵庫を開けてそれらを適当に並べ置く。「んじゃ、何かする事があんなら手伝ってやんよ。無えなら煙草吸ってくるわ」と珍しく手伝いを申し出るも、ソファに深く腰を下ろし足を組んでの態度はお世辞にも行儀が良いとはいえないが、言葉の端には機嫌の良さが滲んでおり)
***
──!…風呂も食事も任せてすまない。すぐに出て来るから…、待ってろ。
(湯船に体を沈めつつ、先ほど告げられた言葉と表情を脳内で反芻する。普段の明朗な笑顔とは違う、妖艶にも思える笑みはスーツを着た時の彼の立ち振る舞いを連想させて、知らず顔がほんのり朱に染まる。皿洗いの音を遠くに聞きながら、夕食と風呂の準備を任せきりにしてしまったため明日の朝くらいは自分が料理をかってでなければ、とひとり小さく意気込んで。ざばりと勢いよく立ち上がり、髪を拭くのもそこそこに若干水を含んだまま鼠色のスウェットに袖を通すと、台所にいるであろう自分より少しだけ高い背に近づきそっと抱き着けば腹の前に腕を回し、「…ひふみ、」と強請るような声音で彼の名を紡ぎ)
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