irm. 2018-10-17 18:15:01 |
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っはは、その‘ただの’ゴロツキと手を組むのはおろか、チームメイトだっつってんだからサツも随分と落ちぶれたもんだな、
…あ、ああ…────チッ、柄にも無く素直になるんじゃねぇよ、調子狂うだろうが…。
(一見すると穏やかで落ち着きのある細身の男から出てくる悪態や容赦のない雑言に目を見張ったのはそれこそ出会った時のみで、現在ではお互いに気の済むまで言い合いを続けるのが常。後に続く言葉が途中で切れたのを訝しんだのか運転席に座る相手を見れば、その先に言わんとすることが何となく伝わったのか何処か気まずそうに舌打ちをひとつ。続いてがしがしと白髪を掻けば表情が見られないように窓の外に顔を向けてぽつりと零し。手持無沙汰にふかしていた2本目の煙草の火を消すと同時に目的地に着けば好都合だとばかりに車から降り、ふと思いついたように意地悪く口角を歪ませると「…銃兎、此処は勝負といこうや。負けた奴の奢り、ってな…勿論乗るよなぁ?」と煽るように語尾を上げ、自らのマイクを取り出して)
***
(冷たい床の感触を頬に感じ、続けて聞き慣れた声に至る所をつつかれる。やっとの思いで「──やめろ、ひふみ…」と絞り出してようやく顔を上げると、困ったような笑みを浮かべる表情が視界に入り。リビングから漂う夕食の香りと髪を梳かれる手つきに安心して意識を落としそうになるも、待っていてくれた恋人と一緒に食事をしたい、と差し出された手をとる。「待っていてくれたのか、すまん。この匂い…今日の飯はなんだ?」すん、と鼻を鳴らし相手の手を引くようにして廊下を歩きつつ、自分が返ってくるまで健気に待っていた相手の様子を想像して再度肩を落とす。ぽつりぽつりと否定的な口調で話すのは通常運転だが、話しているうちに先ほどの彼の言葉の意味をやっと理解したらしく、勢いよくそちらに顔を向ければ両手で彼のそれをとり、)一二三、いつもすまない……はあ、俺のせいで帰りが遅くなって、俺のせいでお前の腹が減って、俺のせいで休みが被っ───やす、み?…あ、明日非番なのか?
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