須藤 理仁 2018-10-16 22:54:58 |
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見付けた時、半分諦めてるように見えたけど…まさかそんなはずないしな。…まっ、本当に無事で良かったよ…あのまま二度と会えない、なんてなってたら俺──きっと、後追ってたと思う。
( 血の気が引いたあの時、遠くからでよく確認は出来なかったにしろ身を委ねているようにも見えた姿と目の前の相手を照らし合わせるよう静かに見据えつつ、これ以上引っ張るような話題でもないため直ぐ様否定して。それでもなかったことに出来る事でもなく、ほんの一瞬考えてしまった最悪の状況に真剣な面持ちで口を開くと何とも言えない表情をみせ。けれどそれ以上に何か言うことはなく、─俺がいないと、何処かで泣いてそうだからなと穏やかな顔をして話を終わらせ。先ほど触れた唇から未だに残る柔らかい感触や熱に、気恥ずかしげに視線をさ迷わせるも、ふと視界に入った相手の様子が同じように思えて小さく笑い。呟くような言葉には『そっくりそのまま返す』という言葉が合っているが、敢えて口には出さず。漸く触れた手に幸せを実感し出してじんわりと滲む目尻に、こんなにも涙脆かっただろうか、とほくそ笑み浮かべれば答えに対して自らもと強く握り返し「…なぁ、自分はキスしといて、俺にはさせてくんないの?」見えなくなった表情にいじらしさを感じてグッと距離を詰めると悪戯っぽく笑い )
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