須藤 理仁 2018-10-16 22:54:58 |
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…聞こえてるよ、泣き虫…っ…
( 僅かに感じる痛みに眉を寄せたのは一瞬の事で、耳にした想い人の声に安否を知ることができ表情を和らげていき、重たい瞼をこじ開けるように薄く開いて。頬へと触れた冷たいものにじんわりと胸の辺りが暖かくなるのを感じて空いている手をゆっくりと動かせば、目尻を優しく拭うように親指を触れさせながら小さく笑いつつそのまま頬を包み込むようにそっと添えて「─俺…知ってたんだ、ここ最近理仁が避けてたこと…けど、何度考えても理由が分かんなくて……だけど、一つだけ分かった事がある──俺の為、なんだよな?昔っからさ、自分の事優先にするやつじゃないから…直ぐ分かること、だったのに…っ、ごめん、…ごめんな…っ、それでも俺はお前と──っ、俺は…理仁が─好きだ」真っ直ぐ見つめて話し始めるも次第に顔を歪ませていき溢れんばかりな滴を目尻に溜めつつ一度瞼を閉ざし、意を決したように再び開いて紡いだのは18年間の想いの全てで )
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