須藤 理仁 2018-10-16 22:54:58 |
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…はっ、…アイツどこまで行ってん──っ、理仁…っ!
( 直ぐと言っても漸く動いたのは相手の背中が見えなくなってからで、そう簡単に見当たらず、どうしてもう少し早く…なんて後悔している余裕はなくただひたすら走り回り。ただでさえ方向音痴な相手が冷静ではない状態で動けば、当然日頃使わない道に出ることは考えるまでもない。次第に焦りを感じ始めたのは姿の見えないことに対してか、或いは妙な胸騒ぎのせいか、苛立ったように舌を打って次の場所へと辺りを見渡したところで一瞬にして血の気が引いたのは、見間違うはずのない姿想像していたより遥かに最悪な状況を目の当たりにしたからで。間に合う間に合わないかなんて考えている時間もない、なりふり構わず駆け寄っていくと同時に伸ばした手が届いたのなら、もう二度と手放さないようしっかりと強く胸に抱いて勢いをそのままに身体を横に倒した─ )
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