とくめー 2018-10-13 20:45:20 |
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【 アキラ 】
結構本気で言ったつもりなんだけどなァ。( 半ばじゃれ合いの様な行為もされるがままイテテ、なんて呟くものの痛みなど特になく、寧ろ昔と同様に此処まで触れてくれる事を嬉しく思いえば「 俺が物好きなのも大輝に限ってだから 」恥ずかしげもなくさらりと言ってのけるが本心である事は事実で。手を宙に這わせてヒラヒラとする動作を肯定的な意味で解釈し、コートへ向かう後ろ姿をベンチ側から見送っては、華麗なシュートや自由なフォーム、見慣れていた筈のそれ等すら未だに技術の進歩を感じ、それでいて昔の唯楽しいだけでバスケをやっていた頃の笑顔は見えず、真剣な眼差しで練習風景を眺めており。―――部活を終え、青かった空も闇に包まれれば、部員達が帰った体育館は彼と自分の二人きり。結局今日のところは見学のみで不完全燃焼だった為、最後の後片付けを終えると練習着のままボール片手にコートの中央まで寄り、片手でシュートを静かに決め、地面にボールが打ち付けられる音に反応したのか、同じく練習着のまま舞台の方で寝転がっていた相手が体を起こし「 待たせて悪かった 」其方に歩み寄って自身も舞台上に上がれば、褐色の肌や青い髪にはまだ練習でかいた汗の名残りがあり、彼の目の前に胡座をかいて座ると、肩にかけていたタオルを濡れた髪に被せてわしゃわしゃと撫で回し。)...お疲れ様!やっぱお前ってすげェかっこいいのな、悔しいくらいには。
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【 緑間 】
勘違いするな、ただの間に合わせなのだよ。実物がいる方が効果は高いだろう。...それとも、俺では不服か?( 自身の行動の何が可笑しかったのか、狐につままれた様な表情で此方を見詰めてくる視線に耐え切れずフイ、と顔をそっぽに向けてると如何にも照れ隠しですといった言い訳をつらつらと並べ、実際のところ付き合いを深める人物と言えばキセキの世代の主将であった同級生など、ある程度自分と似たタイプの人間ではあるが、高校に入学してから高尾や真逆とも言える人間と距離が縮まる事があり、彼女も決して例外ではなく、寧ろ中学時代から此方の態度に構わず煩いくらいに話しかけて来たり、何かと異質な存在であったことは確かで、特に女性と会話をする機会があまりない己に取っては一番と言っても何ら違和感等ない為、他所へやってしまった視線を隣の相手にチラリと戻せば、自信に溢れた低音で投げかけるが、内心は密かに心配しており。明るく振舞っている様で実は繊細な彼女の事だ、色々と背負い込んでいるのだろうと、口にこそ出さないがコート上を颯爽と走り抜ける彼女を脳裏に浮かべては、苦く顔を歪める今にも泣き出しそうな相手の頭にテーピングをしている方の手をぽふ、と乗せてオレンジ色に輝く髪をぎこちなく撫でると、先程より幾分か口調が柔らかくなり、可能性という単語に対して同意の言葉を述べ。).....そうだな、自分の殻に閉じこもっていても悪循環なだけだ。..ああ、運命に選ばれる資格は努力を重ねて来た者に許される。無論、お前も例外ではない。
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