執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
…成る可く早く、決めてよね。互いの為にも(返って来たのは肯定的な答え。そっと目を伏せ、最後の紫煙を吐き出せばパイプも煙となって何処ぞへと消えて。泡沫の如く呆気なく消え行くパイプ、それはまるで貴女の儚い命を彷彿とさせて。貴女がこの吸血鬼に殺害されることを決断すれば、こうして何度も貴女の部屋を訪れる手間が省ける。貴女も孤独の恐怖から解放され、一石二鳥――清々しい程に合理的な考えの元、悪びれもなく選択を急かしていることを仄めかして。「そもそも、如何してお行儀良くリーシュの帰りを待ってるのさ。待ってる間、独りなのが嫌なんでしょ?ならさっさと終わらせればいいのに」ふと浮かんだのは素朴な疑問、冷たい指先を貴女の顎へ添えれば顔を此方へと向けさせ、真っ直ぐに問いをぶつける。孤独に耐えてまで、マリーシュカを待つ意義が貴女にあるのだろうか。どう足掻いても彼女も怪物であり、貴女を捕食することに変わりはないのに。「…聞こえたでしょ。すぐ持って来い」オレンジジュース、それが子供を連想させる飲み物だという知識は無かったようで。その品名を復唱するのも億劫なのか、ぶっきらぼうに使い魔へ命令すれば、あっという間にそれらを運んで来る。グラス1杯のオレンジジュースと、何やら赤い液体。血液にしては透明感の有りすぎるそれは、クランベリーによく似ている。その正体が何か、態々言及はしないまま、無言で貴女へとオレンジのグラスを差し出して)
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