執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>レナード
…ほんと、失礼ね。良い人だなんて思った私が馬鹿だった。
(嫌味を口にしてみたつもりが、彼相手ではそれも通じない始末。子供だなんて一番言われたくはない年頃ゆえに、その態度も合わさって沸々と怒りのようなものが込み上げてくるのを感じて口の端をぴくりと動かしつつ、ぎゅっと拳を握り締め。先程、自分の為にクッキーを持って来てくれた時点では良い人だと思っていたのに、なんてあの時少し信用してしまった事を後悔して。見た事も無い煙草から漂う嗅ぎ慣れない匂いは自分にとって良いものとは思えず、ぶんぶんと匂いを払うように顔の前で片手を振り「……別に。褒めてくれて、ありがとう」未だ気にしているのか視線を逸らしながら、若干棒読み気味に礼の言葉零し。彼に言われ、はっとした顔でバスケットに視線を移す。折角焼き立てなのに冷めてしまってはたしかに勿体無い。いただきます、なんて小さく手を合わせると一枚手に取って早速一口含んで食べる。少しばかり冷めてしまったがサクサクと口の中で軽快な音を立て、甘い匂いが鼻から抜けていく感覚が堪らない。「…うん、すごく美味しい」なんて呟くと自然と笑顔になる。それはきっと、その甘さが心を癒してくれるからだろう)
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