主 2018-09-19 20:42:19 |
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珈琲…?…あぁ、そんなに気を使ってくれなくても良かったのに。じゃあ、微糖を貰っても…?(相手の問い掛けに一瞬戸惑うも彼に気を遣われたのだと少し遅れて気が付けばどんな顔をするべきかと考えるもそれに酷似した経験の乏しさ故ベストな案は浮かばず思わず内心苦笑し苦味のある飲物が苦手だなどとは言える筈もなく小さく首をかしげ微糖希望の旨を伝え。不意にエントランスに風が吹き込み髪を乱されてはそれを無駄のない動きで整える彼を無心とは云いきれぬ感情を抱きつつ眺めては「じゃあ…」と短い言葉で話を切り上げてはゆっくりと閉まりゆく自動ドアに足を運び社内とはまた別の騒がしさと寒さに包まれる雑居ビルの立ち並ぶ街路へ出て)
__An hour later
(慣れた足取りで当然の様に彼をリードしつつ駅に向かい。今更ながら沸き上がる多少の警戒心を抱きつつ言葉数少ないままで何時も通りに電車を乗り継ぎ、最後の駅から少しばかり歩けばまだ新しい15階建マンションの見える通に辿り着き。その後も立ち止まることなくマンションに入り真っ直ぐエレベーターに乗り込み゛11゛という数字を選択し。自宅の階に昇る迄のふとした沈黙の中、問題なく家迄辿り着けたことへの安心からか、不意に何時も通りの筈の作業にいつもは居ない彼の姿があることに一種の可笑しさを覚え密かに恵美を漏らし)
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