…Blue Moon

同居？そんなのはしてないけど…。(次々に進む話に込み上げる不安や疑問を押し殺し上記を述べては相手の此方を品定めでもするように見つめる視線に気が付き。余り関わりたく無いタイプの男だ、等と考えながら、余裕の色を浮かべ此方の心を見透かす様な相手の視線に内心を悟られぬ様にと自然に挑戦的な態度で身構え。不意な相手の背後からの声に目をやれば声を発した不敵にに笑う彼の知り合いとおぼしき人物に密かに顔をしかめているとフラりと寄って来た彼に名刺を渡されば警戒心を携えた声色で「分かった。じゃあ、後でな。」と簡潔に返事をしては、それ以上の事は成るべく考え無いようにしながら足早にｴﾚﾍﾞｰﾀｰの方へ向かい丁度降りてきたそれに乗り込み直ぐ様扉を閉めフロアから消え。)


(ーーー数時間後の夕刻にて。朝の彼の提案が頭から離れぬ中、今日は出来るだけ長く会社に居ようと仕事を少し増やした甲斐も虚しくやはり夕方には仕事を終えﾃﾞｽｸを立ち。今日程迄に帰宅が憂鬱なのは初めてだなと考えつつ彼に渡された名刺を片手に記載の番号に電話をかけ此方の仕事の終了を伝えながらｴﾝﾄﾗﾝｽに足を運び)