黒百合 2018-09-02 12:07:01 |
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(昔から、真っ黒な色が好きだった。黒は全てに勝るからだ。たとえ、相手がどれほどに色鮮やかでも、黒で塗りつぶせばその色は消え漆黒に染まる。その時何とも言えない快感を得るのだ。庭に真っ黒な百合が咲いていた。とても美しく、周りの華々がどれほど色鮮やかでも、その黒百合は存在感を示し、やがては庭を支配する。よく、黒百合の華を見つめては、遠くに聞こえる母親と妹らの楽しげな声を、あの耳障りな声を聞いていた。なんで、そんな昔のことを物心つくかつかない頃のことを思い出すのだろうと誰もいなくなった教室でふと考える。こうも、春の陽気に包まれていると微睡みに便乗して過去の、思い出したくないことまで思い返されてしまうのか、と小さなため息を零すとちらりと窓の外に目を向ける。今日は午前中に入学式があった。新しい制服に身を包んだ新入生がやってきたのだ。生徒会長として生徒代表として壇上で話したが、その時から目に止まったある新入生が中庭にいるのを発見する。すると、自然と足は彼女の元へと歩きだし中庭に出ると彼女の近くまで寄っていっては下記を、優しい声と表現で問いかけて)
やぁ、こんにちは。キミ、新入生…だよね?
(/では、出会いのところから始めていきます。よろしくお願いします。質問や要望などは、いつでも仰って下さいね。)
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