朝霧組若頭 2018-08-19 16:40:05 |
通報 |
まぁ、立ち話もなんですし。どうぞ此方へ。
(車から降りてきたのは予想通りあの日、組同士の合会で一目惚れした彼。瞳同様色素の薄い茶色の髪、背にある陽の光に照らされ此方へと視線を向ける相手に軽く口を開いた所、どうやら相手は警戒しているらしい。言葉を上塗りするように今回の婚約についての根本的な問題について投げかけて来るが、どうやら相手は一切納得していないのだろう。ギロリと睨まれ一応年上である自身に、怒気を含んだ荒い言葉遣い。背後で出迎えていた組の者の雰囲気も、相手の登場で一気にその場の空気が変わっていく。迎え入れるつもりの歓迎ムードが一瞬で殺気と警戒心の混ざり合った危ないムードになってしまった。それを即座に打ち消すように上記の台詞を紡げば、案内するようくるりと背を向け誘導するべくゆったりとした足取りでカラコロと下駄の音を響かせつつ玄関の門を潜ってゆく。先程、相手から今回において絶対的な疑問である若頭同士、ましてや男同士の婚約に関して説明を求められたが立ち話では長くなるもので、長時間の移動で疲れたであろう相手の事も考慮し、組内へと案内したのだ。霧島組組長を自分らの組長のいる大広間へと案内すれば、霧島恭介に家を案内してやれとのこと。組長同士話す事もあるだろうならば此方は此方で、若頭同士席を外す方が得策だ。未だに此方を睨みつける彼は、疑問の答えを欲している。丁度いい案内をする傍らじっくりと説明しよう…と、先ずは自身の部屋へと彼を招いた。部屋内へと案内し、襖を閉めれば机を挟んで向かい合う形に、目の前に座るよう促しながら「…確か、男である筈の君が、男である俺に求婚されたかについてだったよね?」顎に手を添え、やや考える仕草を取ればふむと頷き。一目惚れしたのに間違いは無いのだが、相手はきっとそれだけでは納得してはくれないだろう。相手を完璧に納得させるには慎重に言葉を選び、尚且つ道理の通った理由を提示しなければならない。「…そうだね。元々、俺は男が好きという訳でもないし女が苦手ということでもない。唯、君という存在に俄然興味があるんだ。性別のどうこうではなく君自体に俺は惹かれたんだよ。」ゆっくりと紡がれた言葉は、自身の口から発せられ自身の耳にも届いていく。そう、性別なんて関係ない、彼、霧島恭介という人物自体が未知で、今の自分はその彼に惹かれてしまった。絶やさない微笑みを向ければ、)
…これで、説明になったかい?
トピック検索 |