危 険 信 号 【 BL / 指名制 】

>24 / 島崎


( 何年も待ち望んだ人と触れ合うその瞬間、人に大切にされてこそ存在を許された付喪神は目の前の男の鼓動ひとつ吐息ひとつで心躍る幸せな気持ちに浸り。背に力を込め今一度その存在を確かめるそぶりを見せたのも束の間、掴もうとした身体は気付けば遠く代わりに部屋に響いたのは大きな悲鳴で。急な音声に驚きまじり、相手に合わせ反射的にぱっと起き上がった身体で犬のお座りの様な形をとれば其の儘距離の空いてしまった彼の反応を伺う。目を覚ました人間の顔を幾度となく見てきたが、これ程までの反応を示した物がいただろうか。思わずぷっと吹き出せば、自分の存在を夢ではないのかと現実逃避を図る相手に少しずつ近付いて )わかるわかる！ボクも初めて人間と同じ思考を宿した時、あっ、これ夢かなーって思った！でも夢じゃないんだよ、ボクはキミのお陰で人間と同じ身体を手にしたんだよ！( 効果音を付けるなら、ペラペラ。やや早口気味に言葉を並べてはまるで返事を期待するかの様。顔をずい、と近付け彼の長い前髪の奥に潜む瞳を覗き込み。)