主 2018-08-05 11:26:40 |
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>雨宮 夕嵐
「ようは、実際に被害を受ける民間人の都合なんて知ったことじゃ無いのね。国が滅ぼうが、街が焼かれようが、死体がいたぶられて何かに使われて嫌な目にあっても、助けるのが遅くなって死んだ人たちに向かって、遺族に向かって、同じことが言えるのかしら。近くで退魔師が戦ってること【嫌】だからダメって。お金の無駄って!」
「まったく。善意の押し売りほどうっとうしいものはないわね。どっかの大人に吹き込まれたか知らないけど、言われたことを言うだけしか出来ないなら、署名を求めて同じ言葉を繰り返しなさい」
(女子高生の態度に、気づけば、怒っていた。だが高揚感は一切無い。泣いている人に怒り狂う人間でも無い。この程度の覚悟、浅さ、決意で、さも女子高生自身は国家のために戦っていると陶酔し、戦いから一般人の服装で帰っていた自分達を、呼び止めたということを腹立たしく思って言葉を紡ぎ)
「自分が言われたことをそのまま相手に伝えれば、感動して賛同するとでも思ったの?皆が皆あなたの様な浅はかな考えで、自分の名前を書くとでも思っているのかしら?私に名前を書かせたいなら、最後の最後まで諦めずに、私と語り合いなさいよ!どうして途中で放棄して、逃げ出そうとしたの。私の声が小さくないと言ったわね?その私のような小さい意見から逃げ出す奴に、変えられると思ってるのかしら」
(署名をしたり、質問していた民間人たちが、徐々に、署名を求める女子高生たちから離れていき)
「熱意は、実力を得たうえで、行動で証明するのね。声を張り上げることを、熱意とは言わないわ。議論で、言葉で私を引き入れるなら、最後の最後まで戦えるよう勉強すべきよ。そもそもどうして私に難癖をつけの。私の言葉が癪に障ったから?そんな理由で、私に舌戦を仕掛けたのかしら?さっきまでの自信に、根拠などなかったのかしら?積み重ねも無ければ、積み重ねる気もない者が私に挑まないで。せめて自分の意思をもって行動しなさい」
(迫力は妖魔の体を吸い付くし、妖魔の五臓六腑を引きちぎり、妖魔へ向けて妖魔の頭部を投擲し内臓や髪の毛で妖魔の首を絞めたりぶっ叩き、稲妻で焼き切り、翼でぶっちぎっているときよりもずっと凄惨で苛烈で獰猛なものへ)
「不愉快の極みね。公で主張するのだから、最低限の覚悟は持っておきなさい。殴られたわけでもないのに、自分から議論を持ちかけておきながら反論されて、何も言えなくなって、べそべそ泣くならあなたは最初からこんな大それたことをしないで。あなた勘違いをしているわ。あなたは小娘よ。あなたの御両親がどうであっても、あなたにこんなくだらないことを吹き込んだ奴がどうであっても、あなたは困ったら泣くことしか出来ない小娘ね」
(次に、署名活動をしていた他の高校生たちにも視線を顔を向け)
「あなた達もよ。同じものを志すなら反論すべきだし、友なら庇いなさい。出来ないなら、集まって政治活動なんてしなければいいわ」
(ぐるりと周囲を見渡す。射抜くような視線のままで)
「ほとぼりが冷めるまで黙るなんて、随分虫がいいのね」
(言葉を紡ぎ)
「さっきのさっきまでこの子に影響されて拍手したり、同意したりしてたのを、憶えているわ。あなた達は反論が無くて、この子を助けようとは思わないの?」
(離れていこうとした人や同じく署名活動をしていた高校生は眼を背け。泣いている同級生に歩み寄ろうともせず、彼女に目を合わせようともしない)
「あなた達は弱者の代表じゃなくて、鍛えることも学ぶこともしないで、弱者に甘んじて、開き直っているだけよ。自分で真剣に考えて、自分なりの答えを持たない者が、群れて自分を誤らないでほしいわね。今こうして、私から逃げているあなた達こそ、等身大のあなた達なのだから」
(責めるのではなくただ言葉を届けて。切り株を断つようにばっさりと言い切り)
「反論されれば議論を打ち切ろうとして、議論が続いても同じことしか言えない。面倒なことを前にして、知らぬ存ぜぬで通そうとして、目の前で困ってる友達の事さえも見捨てて、最後に幼児みたいに泣く。怒られるのが【嫌】なら、偉そうな口を利かないで。この痴れ者」
(最後に一言。ため息をついて歩き出して相手たちのほうへ行き)
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