白 2018-07-26 15:40:36 |
通報 |
…せ、先輩のこと好きですもん!此れくらいはとーぜんです。
( 恥ずかしさを隠す事が出来るほど器用では無く、生憎と感情を押し殺す事が出来るほど大人でもない。好きと言う感情は得てして心から溢れる程募っており、先程の告白を無かった事には出来ない。それならば寧ろ、何度も伝えた事感情をちゃんと伝える方が良いのではないか、などと逡巡の後に軽く口を突き出し乍ら上記を述べる。然れど未だ頬に持った熱は中々引いてはくれない。如何にか落ち着こうと大きく息を吸って吐いて、ちらりと彼を見上げる。
予想外だった。彼の飄々とした笑みが浮かんでいると思っていた顔には、僅かな動揺と困惑が浮かんでおり、明らかに自分の言葉によりその表情が浮かんだのだと分かってしまう姿。同じ様に赤に染まった頬に、少しでも落ち付けようとした心は再び脈打つ。少しでも彼の心を動かせた事が嬉しくて、何とも言えない気持ちで心が満たされていく。ただ一つ分かるのは、この感情で自分は酷く穏やかになれると言う事。
浮かんだ笑みを隠し切れず、如何にも緩んだ頬の侭で指切りを終えた最中、不意に彼が後ろを向いた。手元を見つめる彼をおずおずと覗き込めば、視線の先は携帯電話。誰からだろうと思う暇も無く、彼の表情から察してしまった。部活に行く寸前の彼を引き留めてしまったのは自分だと言うことにはたと気付き、さぁっと血の気が失せて行く。恐る恐ると言った様子で彼の服の裾を引っ張れば、掠れた声で )
あの、ご、…御免なさい!部活ッ、遅刻ですよねッ?!
トピック検索 |