魔法使い 2018-07-08 20:11:25 |
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___あぁ、ただいま。そうだな…肩を貸してくれると助かる。
(おかえりと言われると、ハッとしたように顔を上げる。また瞳が揺らいだ。その言葉を言われたのは遥か昔のこと、だが誰かが共にいることを思い出す言葉だった。胸がまた詰まる感覚に陥るが、今度は目をそらさずにただいまを返す。この言葉を口にするのも久方ぶりだった。その言葉に今度は胸に安堵が広がる感覚があった。いい加減ここから動かなければと両足に力を込めて立ち上がる。ふらつく程ではないが、歩くのは少々億劫だ。いつもならばこの屋敷に帰ってくるときに使ったゲートを自室に繋げるのだが、今は大人しく相手の言葉に甘えて肩に手をおく。今は無性に誰かに支えてもらいたかった)
…聞かないんだな、私が何をしていたか
(少しだけ相手に体重をかける体勢になると、自室はあっちだと指さす。何も言わずに迎えてくれたのは嬉しかったが、リーシェの本心は分からない。自分のこの様子をみて内心怯えている可能性だってある。他人の思考を読むことは魔法を駆使すれば容易だが、そんなことをして相手の気を悪くしたくはない)
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