案内役 2018-07-06 20:03:10 |
通報 |
>29 エルフィーナ
──…いいや、その片仮名を耳に通したのはこれが初めてだ。無論、咀嚼した事さえない。私の体における機能は高度を増して、人間しか問題なく飲食可能な代物でさえ食せるようになった。最新に最新を重ねゆく愛玩動物へ与えるべきものの情報などはもはや過去の記憶にしか残っていないのだよ。……ああ、先程までの光景が近付いてきた。
(ペットフード、という単語に短い間を置いて再び口を開く。二人と一匹が揃っていたあの時間に作られていた食事はそれこそ肉や魚がほとんどだった気がする。そうしているうちにも、数分前までに列車内から眺めていた町との距離が詰まってきた。民家や店、街灯から放たれる明かりは誰をも歓迎するような錯覚めいた雰囲気を醸し出しており。)
トピック検索 |