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魔法の鍵 2018-07-04 00:29:14 |
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ほんと？私…お友達が出来るかなって不安だったの。だから、小狼君が一緒ですごく嬉しい…。そろそろ行かなきゃだね、行こ？
(喜びに笑顔を見せる相手がさらに手をぎゅっと握ってくると相手のそんな笑顔を見るのも久々かもしれないと感じつつ、自分の様子を見て謝罪を述べる相手にふるふると首を振り、大丈夫であることを伝えて。相手も同じ学校であるだけでなく、同じクラスで、毎日顔が見れるとなれば嬉しいのはこちらも同じ。相手が不安に思っているようなことは微塵も思ってはおらず、むしろ相手がいなければ友達が出来るか不安だったと自分が緊張していることを少し眉を垂らしながら苦笑を交えて教える。それゆえに相手と同じクラスなのは嬉しいと改めて伝えると構内放送で教室に集合するように呼び掛けがかかり、手に持ったままの学生証をブレザーのポケットに入れて、行こうと言いながら教室に向けて歩き出し)
そっか、それなら良かった。
けどきっとサクラならたくさん友達ができると思うよ。そうだね、行こうか。
(彼女は誰にでも優しいし、きっとすぐに出来るだろうと告げつつ彼女を見つめてはふふ、と小さく笑って。校内放送に耳を傾け、頷けば彼女の隣に並ぶように歩き出せば様々な生徒達が横を通り抜けていくのを横目に真新しいとは言えない靴箱へと行き、靴箱へ履いていた靴を入れればカバンから新しい上履きを取り出して履き替え。彼女の靴箱はどこなのだろうかと、首をかしげ返しては聞いていなかったなと息を吐き。おそらく席も多少は離れていてもおかしくはないなと眉を下げて)
お待たせ、……どうかした？
(すぐに友達が出来ると相手に言われるとそんな気もしてきて、そうならば良いなと考えながら相手と並んで靴箱までやってくる。靴箱は男女で分かれているようで、一旦相手と少しばかり離れると自分の学籍番号の書かれた靴箱を見つけて。新しく父に買ってもらった上履きを手に取り、これから始まる学生生活にわくわくとしてしまいながらそれをトンッと軽く床に置く。靴箱に履いていたローファーを入れては、相手が待っているだろうことも考えて少し急いで靴を履くとトタトタと靴音を立てて相手のもとに戻っていき、お待たせと声をかけながらも眉を下げている相手の顔を見ればそれを覗きこみつつつどうかしたのかと問いかけて)
え？嗚呼、……いや、サクラと席が離れてそうだなと思って…。仕方が無い事だけど…さ、教室へ行こう。
(いつの間にか戻ってきていた彼女に顔を覗き込まれれば何でもないと誤魔化そうとするものの、眉を下げているところを見られてしまった手前誤魔化すも駄目だろうと判断すれば、頬を掻きながら苦笑を浮かべて上記を述べる。仮に靴箱も別れているため、教室も男女別で席が分かれていると断言しても良さそうだし、離れていても隣になることはないだろうなと内心でぼんやりと思考を巡らせ一旦息を吐けば、気持ちを入れ替えたように笑みを浮かべて彼女の手をさりげなく握ればそのまま歩き出して)
…そっか……、っ…うんっ。……席が離れてもお昼ご飯とかは一緒に食べれたら良いね？今日はお昼ないみたいだけど…、……今度小狼君の分も作ってくる、…迷惑じゃ、なかったら…。
(浮かない顔の相手を何かあったのだろうかとじっと見ていれば相手が悩んでいたことは自分と席が離れるかもしれないということ。そう聞かされて確かにいつでも側にいられるわけではないのだろうし、自分もそれは少し寂しいなんて思ってしまいながら相槌を打つとふと手を繋がれて一瞬ドキリとしてしまうも決して嫌ではなく、コクッと頷いて相手の隣を歩き出す。緊張しながら自分からも相手の手を軽く握ってみては、少し歩いたあたりでちらりと相手を見て。席が隣でなくてもせめて休憩時間やお昼休みに一緒にいられたらと自分の希望を語ると、次にはまた目を反らしてやや気恥ずかしそうに間を空けた後に迷惑でなければ相手の分の弁当まで作ってくると話し)
…！、迷惑なんかじゃない、…その、サクラさえ良かったら…。で、でも、毎日って言うわけにもいかないだろうから、その、時々で…！
(彼女の申し出に目を丸くし、自分のだけでなく己の分まで作るなんて驚いてはぶんぶんと首を左右に振り嬉しいよと笑いつつも毎日早く起きて作るのは大変ではないだろうかと彼女のことを思いながらたじたじに答え。彼女ばかりに作らせてしまうのはやはり申し訳なく、己もなにかできればと考えつつ、得意なのはやはり料理だったりもするが、それならデザートでも作れば彼女は喜んでくれるだろうかと考えつつ、足は教室へと向かう。この歳になってまで、いちいち喜んでいてはキリがなさそうだと内心でわらって)
うん、じゃあ時々…作ってくるね。で、でもあんまり期待はしないで、ね？美味しく出来るかわからないし…。
(中学のときでさえ相手の弁当まではつくってこなかった自分だが、最近になって料理を習い始めた。だからこその申し出だし、それで相手と一緒にいられるなら毎日だって、と思いを巡らすもまだそんなに料理の腕に自信があるわけでもない上に迷惑かもしれない。そろっと見上げて見ると迷惑でないと首を振る相手の姿。時々でも良いという相手に少し照れてしまいながらもきちんと受け入れてもらえるのが嬉しくてへにゃっと笑顔を見せて頷く。自分で言い出しておきながらやはりまだ相手の口に合うかもわからないからと慌てて期待しないようにと付け加え、そうしていれば教室に到着して)
…この教室みたいだね…。
そんな、サクラが作るものはきっと美味しいよ。…じゃあ、その時は俺がデザート作ってきてもいいかな。サクラばかりには任せられないし…
(名案ではないだろうか、と首を傾げながらそう提案しつつ辿り着いた教室の札を見上げれば、此処が今から1年間通う教室なのかと双眸を細める。既に数人が中にいるのか、楽しそうな話し声だったり又は席に対する文句などが聞こえてくる音になんだか楽しくなりそうだとそっと彼女を引きながら教室の中へ足を進める。既に席は決まっているのか、黒板には席順が書いてある紙が貼られているのを見つめればそちらへ視線を向け己の席を視線だけで探せばすぐに見つける。窓側の二列目、前から4番目の席が己の席で。彼女の席はどこだろうかと彼女に視線を向けて)
小狼君の作るデザート…きっと美味しいね！お料理上手だし、楽しみにしてるね。
…私の席は…、んーと、あそこ、かな？小狼君はどこだった？
(相手に引かれて教室に入ればデザートを作ってくるという気遣いに対して相手が料理を得意としているのは知っているためきっと美味しいのだろうと嬉々として楽しみだと伝えて。黒板上の座席表を自分も見つけると実際の座席と見比べつつ、前から指を指して1、2、3、4、5、と数える。列は窓際、前から5番目の席。もう１つ後ろには既に誰かが座っているようだったがその席が最後尾らしい。隣の席にも女の子が座っており、4番目の席はまだ空席。たぶん指差した席で合っているはずとこちらを見る相手を見上げると席に向かう前に相手にもどこの席か確認をとり)
そんな…、上手…かな。でも、喜んで貰えれるなら頑張るよ。…ええと、俺の席は窓側の2列目で…前から4番目だ
(手を繋いでいたままのことを思い出し、そっと手を離しながら彼女の指を辿りながら同じ窓側なのか、と目をぱちくりと瞬きをしつつ問われるなり、己も座席表と見比べながら間違っていないことを確認しては、彼女に伝える。己の前と後ろの席は男子生徒と女子生徒が座っておりあそこで間違ってはいないなと息を吐き。窓側だとすれぱ風も当たって夏場は良さそうだなんて先のことを考えつつゾロゾロと自分達の席へ座る者が増えてくれば座ろうかと彼女に微笑みかけ)
席も近いんだ…なんだかすごいね…。
(デザートを頑張るという相手に笑みを送ると繋いでいた手が離れて少し寂しく思いつつ、だが引き留めるのも躊躇われてそのまま手を離せば相手の席を聞かされて再び実際に並べられた席を見てその席を探し。自分の斜め前の席。離れるかもしれないという自分達の予想は外れたようだ。自分達の運の強さに感嘆してしまいながら、相手の背中を追って席へと向かう。席に座ると隣の窓が開いていて程よく心地よい風が入ってくる。それと同時に担任教師が教室に入ってきては周りでざわざわとお喋りをしていた生徒たちも静かになり、彼の話を聞き始めて)
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