九尾 2018-07-02 20:11:14 |
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>千鶴
( この時期には珍しく、肌触りの良い風が吹いていると思っていた。なにかの予兆のような、だなんて。───"来た"。参道の先、一際高い場所にある拝殿へと続く石段で寝転んでいた。毛並みの整った耳がひくりと動き、来客を告げる。暗闇に浮かぶ曙色。付喪神が奏でる音楽。風に乗って運ばれる香ばしい香り。それら全てに誘われて、瞳を輝かせた青年が狭間に落ちたらしい。高校生くらいだろうか、健康的な体つきの活発そうな青年は、辺りを見回しながら今自分がいる石段へ迫ってくる。久しぶりの来客、人間、しかも男。そんな考えに至る自分に苦笑しながら下駄の小気味良い音を響かせて青年に近づいた。あくまで自然に、小首を傾げてゆるりと口角を上げる。)
やあやあ坊ちゃん。えらいはしゃぎようやけど、ここのお祭りは初めて?
( / 読みづらいなんてそんな、むしろ綺麗で繊細なとても好みのロルです……!此方のロルにもなにか要望等ありましたら遠慮なさらずにどうぞ。)
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